【エゴイスト】今、最もフットボールの熱い場所、「ブルーロック」

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「サッカーやろうぜ!」
あ、間違えた。

なんだっけ有名なセリフ。「ボールは友達!!」でしたっけ。
ほんとにぱっと出てこないんですけど、って、え?なに?今から飲みに行く?うるせえよ、今いいトコなんだよ。
ちょっと邪魔が入ってしまいまして、失礼しました。
やっぱりブルーロックと言えば迫力あるプレーの描写だと思うんですよ。
後はやり過ぎてないギリギリの妄想(理想)現実のフットボール業界の流れに逆らいすぎてない展開が妙にリアリティあってもうたまらなく興奮しますね。
あなたもそう思いますよね。僕はそう思います。
というか、ブルーロック読んだり見たりしたことありますか?
直近でカタールワールドカップがあったこともあり、最近ブルーロック関連のあれこれを目にかけた人も多いのではないでしょうか。
FIFAワールドカップという世界で一番熱いフットボールイベントと時期も重なり、今、最もフットボールの熱い場所となりつつあるのがこの「ブルーロック」なのです。
今回はこのブルーロックという作品の世界を現実のフットボールと紐付けながら自分なりの解釈を含めつつ、紹介します。

書きたいこと書いただけのエゴ剥き出し文章ですが、気持ちだけでも伝わってくれれば私は大喜びします。

目次

ブルーロックプロジェクトの概要

 「青い監獄(ブルーロック)プロジェクト」とは、サムライブルーと呼ばれるフットボール日本代表のワールドカップ優勝を実現させるべく、日本フットボール協会が主導となり起こしたプロジェクトである。日本のフットボールはその国民性を存分に発揮した、チームのメンバー全員が一つになり組織的にプレーをするというスタイルでここ20年、飛躍的な成長を遂げた。個人で見てもヨーロッパの強豪クラブに所属し、そのプレーでチームの勝利に貢献する選手もちらほら出てきた。しかし肝心のワールドカップではベスト16止まり。ワールドカップの舞台で「良い試合をした」という表現が日本の現状を言い得ていよう。事実、対等に戦えるようになってきてはいるものの、強豪国と呼ばれるヨーロッパや南米のチームを蹴散らせることができなければワールドカップは優勝できない。
 では、そのワールドカップで優勝するためには日本代表に何が必要なのだろうか。その答えは「世界一のストライカー」だ。そして世界一のストライカーに必要な素質は「世界一のエゴイスト」であることだ。これはブルーロックプロジェクトの核を担っている人物「絵心 甚八(えご じんぱち)」の持論だ。フットボールは複数人で行うスポーツであり、一般的にはチームが一つになる、互いが互いを助け合いながら戦うことが美徳とされる世界においてあまりに危険で凶暴な考えであるように聞こえるが、案外、理にかなっている。

持論(エゴむき出し)につき中略しても良いよパート


 実際にワールドカップを制した国を見てみよう。直近のカタール大会、優勝国は南米のアルゼンチンだ。この国には誰もが知っているであろうリオネル・メッシという「圧倒的な個」がいる。実力でも十二分に圧倒的なのだが、今大会を見ていてメッシがチームにもたらした影響について一つ思い当たるところがあった。ナショナルフットボールにおいては自国のサポーターがスタジアムや会場から遠く離れたアルゼンチンの地で勝利を信じ、試合を見届けるのは当然のことであろう。
 そして、ピッチに立つ選ばれし26人の選手たちは自分が国を代表してプレーする選手であるという誇り高き自覚をもちろん持っているはずだ。しかし、今回のアルゼンチン代表メンバーを見ていて、もはや自身のためでは無く、リオネル・メッシという一人のフットボール選手のために、彼にワールドカップのトロフィーを掲げさせたい、という強い思いを持ってプレーしているように感じてしまったのだ。
 つまり、その圧倒的な個を前にすると、同じ仲間でありピッチ上では対等な関係であるはずにも関わらず、その対象人物への尊敬が強すぎるが故にプレーに紐づけられる理由というものが、本来の「自分のため」ではなく、「その人物のため」となり、結果的にチーム全体の共通認識「尊敬する彼の為に頑張る」が生まれ、個だけでは届かない境地に達することができると私は考える。圧倒的な個がいることによって圧倒的な集団が生まれる。これをブルーロック式の方程式にあてはめるのならば、
ワンフォーオール圧倒的な実力を持つ11人圧倒的な集団(オールフォーワン)
圧倒的な個(ワン)実力と尊敬を兼ね備えたプレイヤー10人(オール)圧倒的な集団(オールフォーワン)
となるだろうか。
 ここまで、直近のカタール大会を例に話を進めてきたが、80年以上の歴史を持つワールドカップだ。過去の大会を挙げればきりがないが、優勝した国にはこの圧倒的な個がいたことに間違いないだろう。前回のロシア大会は19歳にして10番を背負い、世界に衝撃を与えたフランス代表キリアンエンバペがこれに該当するだろう。これほど若い選手であるとベテラン選手にはプライドにくるものがある。自分が彼と同じ年だった頃、サッカー選手として今の彼とどこまで差があったのだろうかと嫉妬の目で見てしまうこともあっただろう。その思いが時間を重ね実力と経験を積んだ選手にはこれ以上無い上質な燃料となり、やはり結果として彼、エンバペをとしてフランス代表は優勝したのだと推測している。ちなみに今回決勝でエンバペ擁するフランスがアルゼンチンに敗れたことについては、エンバペ自身が「圧倒的な個」であることには決勝でのハットトリックという化け物じみた結果が示すようにその真偽に疑いの余地はこれっぽっちも無いのだが、4年前と違うことが一つあるとするならばチームメイトの彼に対する嫉妬心の欠如であると私は推測している。この感情はトップアスリート、そしてチームスポーツであるフットボールのプレイヤーとしてはあまり持つべきではないものなのかもしれないが、先ほど述べたベテラン選手というある程度飽和状態に近づいてきた選手にとっては新鮮で質の高い火付け役になり、大きなモチベーションになる。いわゆる下からの突き上げというやつだ。しかし、今回のフランス代表は前回の優勝メンバーから大きく入れ変わり、初ワールドカップながらエンバペと同年代の選手が多く名を連ねた。そう、エンバペに強く影響を受けるベテラン選手がいなかったのだ。実際今回のフランス代表で個人的に印象に残っているのはその献身的なプレーと運動量で本来の華やかさを抑えながらもチームの歯車を担った中盤のグリーズマンや、本来出場予定だったバロンドーラー、ベンゼマの抜けた穴を見事に埋めたジルーといったベテラン選手ばかりだった。そしてエンバペ自身にも原因があると考える。ワールドカップ優勝後、所属クラブのパリサンジェルマンでは兄貴分のブラジル代表ネイマールの背中を見て育ち、態度や素行の悪さが目につくようになった。いわゆる天狗になったのかもしれない。ここに関しては齢19でフットボール界で世界を獲り、そのチームで中心となった彼に天狗になるなという方が難しいのかもしれないが。これらが理由して、フランス代表は決勝で世界最高のプレーを見せてくれたエンバペを擁しながら、惜しくも大会2連覇とはならなかったのではないだろうか。

以下は長々と書いてるけど要はサッカーの簡単なルール説明と選手のポジションについてだよ

 そして絵心甚八の持論を正論とするもう一つの根拠だが、ここでフットボールについての認識を改めてもらう必要が出てくるかもしれない。
 フットボールとは、ゴール型の得点方式を採用する比較的身体への負担が大きいスポーツである。長方形の形をしたコートの両端に各チームのゴールがあり、人間の顔面大ほどのサイズをしたボールを腕以外の体の部分を使ってそのゴールを目指す。ボールがそのゴール、もとい、ゴールラインを越えれば得点が認められ、ゴールまでボールを運んだ方に得点1が追加される。そして制限時間内に多く得点を取った方の勝利となるのが基本的なフットボールにおける勝敗の決め方である。
 時間内に決着がつかなかった場合には同じ形式のまま延長戦を行うが、体力の疲弊によりまともにプレーが続けられない、このまま延長を続けても不毛なだけだという判断から延長戦にも上限時間を設け、それでも決着がつかなかった場合にはペナルティキック(PK戦)形式により勝敗を決する。この時、本来の形式による試合では両チームの勝敗を決められなかったため、試合自体は引き分けという捉え方になるが、トーナメント形式という形式上の理由やショービジネスといった側面からも大いに盛り上がるPK戦を行う。
 もっとも、このPK戦は本来のフットボールで両チームの実力差を図るにはあまりに適しておらず、もはや別競技と言っても過言では無い。それ以前の試合内容や選手の貢献に関係なくPK戦の主役であるゴールキーパーと選ばれたキッカーによって勝敗が決められることになる。どれだけチームに貢献していたとしてもPKを決められなければ戦犯扱い、統計上入る確率の方が高いPKでシュートを止めようものならゴールキーパーは一夜にして主役の座をかっさらうことになる。筆者も学生時代にこのPK戦をゴールキーパーとして戦ったことがあるが、やはり相手のシュートを止めたときというのはこの世の何にも代えがたい高揚感があった。
 PK戦で話が少し逸れたが、要は得点を多く取った方が勝つのがフットボールだ。
 では、現代のフットボールにおいてこの得点を決めることが主な業務となっているのは誰なのか。一般社会と同じく、フットボールにもそれぞれの人間に与えられた役割ポジションが存在する。
 まずチーム内で唯一手を使うことを許された特権者「ゴールキーパー」は、その特権を行使し、全身を使って得点機会をゴールの目の前で阻止する。そして現代では守備のみならず攻撃の起点としての役割も求められ、セービング、いわゆるシュートを止める能力に並ぶ重要度で足元でボールを扱う能力、キックの正確性や視野の広さに対しても高い水準が求められている。チーム内で最も身体能力が優れ、チームの最後尾としていついかなる時も仲間を、時には自分自身を鼓舞することのできる人格者がこのポジションに向いているとされている。

 そしてそのゴールキーパーの一列前でそのフィジカルを駆使し攻撃のラストピースを潰しにかかるのが「ディフェンダー」だ。先程のゴールキーパーと同じく相手に得点を取らせないのがこのディフェンダーの主な仕事なのだが、彼らはキーパーと違い、手を使うことができない。となればどうやって相手を止めるのか。答えは身体だ。ボールが高く空中に飛んだ空中戦ではボールにいち早く触るために身長の高い選手が、ボールを持ってゴールに迫ってくる相手との地上戦では相手に倒されない屈強なフィジカルを持っている選手がこのポジションにつく。すなわち体格の大きい選手が適正となるが、このポジションにはもう一つ重要な能力がある。それは経験だ。どのポジションでも言えることではあるがディフェンダーはカテゴリーが上がるほど、この経験に裏付けられたプレーがそのまま上手さに直結する。これまでのフットボールの歴史から見てもこのポジションは選手による個性が出にくい特徴があり、まず高身長かつ線の太い強靱なボディとその身体から繰り出される再現性の高いプレーや淡々と業務をこなす様からディフェンダーとして名を挙げた選手が「職人」の異名を取ることがしばしある。現代のサッカーで顕著なのだが、このポジションに経験が豊富とは言えない若手選手が抜擢されることが最近よく見られる。先天的に冷静さを持つ選手も中にはいるが、やはり経験に勝るものは無い。フットボールが長い歴史を持っていながら今もなお人々を魅了しているのにはフットボールの戦術やスタイルに底知れぬ奥深さがあるからだ。これまで100年以上のフットボール史の中で常に戦い方は変化し、それに伴い選手個人に求められる能力も変化してきた。そして近年、このディフェンダーの中心、センターバックと呼ばれるポジションの選手に求められるものが大きく変化した。かつてはデカい、強い、怖いの三拍子がそろった選手が適正ランクSだったのに対し、現代の流行であるポゼッションサッカーにおいては下からの組み立て、そして長い距離のパス、フィードと呼ばれるキックの正確性や的確な選択が求められるようになり、経験による守備能力よりも育成年代から培われ、20歳前半でも成熟した能力を持つことが出来るボールコントロールの技術の方が需要が高まっている。若くしてこのポジションを任せられるというのは例えるのなら年上の部下を持つ出世社員であろう。名誉なことであり、実力を認められているのに疑いはないのだが、その中間管理職的なポジションに精神をやられかねないのがこのポジションの難しいところだ。責任は伴うが功名は上げられない、いつまでたっても同じ評価までしかされず、いつの間にか自分よりも後に入ってきた後輩に美味しいところを持っていかれてむこうは出世、自分はただチームの犠牲となるというのが現実だろう。そういった犠牲心やチームへの忠誠心が強いとこのポジションで長生きするのかもしれない。また、フィールドプレーヤーと呼ばれるゴールキーパー以外の選手のなかで一番チームの後ろを担うため、チームを後ろからコントロール出来るポジションでもある。そのため人を動かして戦況を動かすのが得意とあらば天職になるだろう。

 そしてそんなチームの土台の一つ上にいるのが「ミッドフィルダー」だ。中盤と呼ばれ、チーム内のほとんどの業務を常に把握し、その中で最善手を選択し、自らが潤滑油となるチーム内で最も身を粉にして働いてくれているポジションであろう。チームの戦い方によってその役割が大きく変わるのもこのポジションの特徴で、先程のディフェンダーよりも選手それぞれの色が濃く出る。ディフェンダーに近いポジションで守備をメインにする選手やピッチの両横にそれぞれ陣取り、サイドを駆け上がるスピードスター、パスを得意とする固定砲台、ドリブルに長けたテクニシャンなど個性豊かな選手が見られる花形ポジションだ。チームの司令塔を務める選手はこのポジションに居ることがよくある。しかしながらそれを実現させるにはピッチの中央で360度全てを見る必要があり、マルチタスクで頭の処理速度が速くなければならない、選ばれしハイスペック人間にしか出来ない特別な役割でもある。ちなみに私調べだが、このポジションはモテ男が多い。

 そしてチームの最前列、相手ゴールに最も近い位置にポジションを取り、得点を奪うことを自らの喜びとする捕食者ポジション、「フォワード」だ。ちなみに英語でフォワード(forward)は前へ、先へ、といった意味を持つ。その名の通り前を向いて貪欲に得点を欲することがこのポジションの選手が持つべきエゴであり、美徳であるとゴールキーパー出身、ブルーロックでフォワードとはなんたるかを学んだ私は考える。とは言いつつも、超ワガママで傲慢なフォワードが居ようものなら大抵他のチームメイトなり監督なりに出た杭を打たれておしまいだろう。それでも自分の信じる我流を貫き通し、己のエゴに忠実になれることができれば、その道が正しかった時のみ、偉大なストライカーとしてその実力を買われ、周囲の人からの理解や尊敬を得られるのだと思う。
 前述のミッドフィルダーよりはタイプがはっきりと分かれるポジションではあるが、やはりなんと言っても得点のとり方に選手それぞれの個性が出たとき、試合を見ていて一番興奮する。長身で体格に自信のある選手は屈強なディフェンダーをものともせず空中戦を制しヘディング、頭でのシュートで得点を挙げる。はたまたスピードを武器としている選手は味方の鋭いパスに反応し相手のディフェンダーを置き去りにするスプリントをかけ、一気にゴール前まで侵入、キーパーとの一対一を冷静に決める。それぞれの特筆した能力を生かしたスタイルで得点を量産する、再現性のあるプレーが可能になれば一流のストラとしての地位に名を馳せることが出来よう。
 ここまで得点を取ることがフォワードの役割であると話を進めてきて、ブルーロックにおいてもこれはフォワードの選手の確固たるアイデンティティであることに違いはないのだが、現実には世界トップのクラブでプレーするフォワードの選手でありながら、自ら得点を取りに行くことを美学としない選手もいる。そのスタイルは偽9番(フットボールでの背番号9は点取り屋を意味する)、シャドー(影)と呼ばれ、最前線にいながらあくまで自分はであるという基本理念を持っており、試合を決定づける得点を挙げるのは周囲にいる攻撃的ミッドフィルダーやサイドハーフ、ウイングといったその選手の周囲の選手になる。このスタイルの選手が第一線で成功を収めている背景には、試合に出れば最前線を張るフォワードでなくともゴールを奪い、試合を動かすことができるというフットボールの常識がある。最もゴールに近く、得点能力に長けた選手が務めるのがフォワードでなのだが、それと同時に最も相手からチェックを受け、得点機会を与えてもらえないのがフォワードというポジションだ。それを逆手にとって相手に自分を振り向かせたところで死角をつくといういやらしさ満点のスタイルがこの偽9番、シャドーと呼ばれる戦い方だ。
 と、ここまでポジションごとの役割を話してきたが、これらはあくまで推奨されるプレーの形であり、チームの戦術が破綻しなければ実際のところゴールキーパーを除いて誰が何をしても問題はない。戦術の柔軟さがフットボールの醍醐味の一つであり、近年で戦術の柔軟さを象徴するプレースタイルといえばマンチェスターシティのディフェンダー、ジョアン・カンセロ選手による「カンセロロール」が挙げられる。ディフェンダーとは名ばかりの前例のない自由で攻撃的なプレーを繰り返し、ひとたび相手陣内に侵入しようものなら組織的に編成された守備陣を翻弄し、挙げ句自らがシュートにまでいってしまうというぶっ飛んだスタイルだが、これまでのあまりに美しいマンチェスターシティのポゼッションサッカーにおいてはかなり色の濃いスパイスとなった。
 圧倒的な技術戦術理解により体現されたマンチェスターシティのポゼッションサッカーに対して実力で劣るいわゆる格下チームの自陣に引いて守る戦い方の徹底的にシミュレーションされたガチガチの守備からのカウンターというやられ方で苦しむ展開が増えてきたマンチェスターシティでこの戦術がドはまりし、その後同じような堅い守備陣を幾度も見事にぶち壊した。これは彼がディフェンダーながら持ち合わせていたストライカー的エゴと培われたテクニック戦術理解が成せる業であり、やはり根底には彼自身の本質的な得点を取りたいというエゴがあるのかもしれない。
 再三プロの名前を挙げて申し訳ないのだが、私の知る選手の中でこの自分のエゴに忠実というスタイルを最も体現しているのが元スウェーデン代表フォワード、ズラタン・イブラヒモビッチ選手だと思う。とんでもないビッグマウスやピッチ外での目立った言動に対して寄せられた有象無象の懐疑的な声の全てをピッチでのプレーで黙らせる。これ以上のエゴイストは見たことがない。
 40歳という年齢を過ぎた彼はもはやベテランの域を超え、リビングレジェンドとして未だに所属クラブで大きな影響をもたらし、チームの意識を一段階も二段階も引き上げるそのポテンシャルは唯一無二。そんな彼はその長身がもたらした長い足を生かしたテコンドーを彷彿させるプレーで得点を量産、かと思いきや、足下の技術も高い水準を誇っており、丁寧なタッチやしなやかなドリブルも見られる。そしてなんと言ってもシュートのパワーがエグい。一枚岩ではない彼の能力はやはりそのエゴがあるからこそ成せるのだろう。稀代のエゴイストである彼だが、彼は常に自分に必要な能力を理解し、それを身につけることで変化がめまぐるしいフットボール界で常に第一線を走り続けてきたのだと思う。時にはパワー不足を感じ筋トレに励み、筋トレをしすぎた結果、体が重くなりスピードが落ちたためウエイトトレーニングを控えるなど、エゴイストであるからこそ自分自身と常に向き合い自問自答を繰り返し思考を止めなかったことが彼の成功のカラクリなのだと考える。

 とここまでずいぶん寄り道をしたが、ブルーロックプロジェクトの存在意義を現実のフットボールを見てきた筆者の考え、
考察を交えながら説いてきたが、ここからはその内容になる。

 日本全国の18歳以下の優秀なストライカー300人を一同に集め、全寮制かつ生活の一部に制限を設けた環境でプロジェクト主導者の絵心甚八が考案した育成プログラムにより、たった一人の世界一のストライカーを創り上げるというのがこのプロジェクトの本旨である。選手それぞれには所属しているチームがあるがそちらでのプレーはできず、文字通り隔離された特別施設によって育成プログラムに取り組むことになる。施設内には最新のトレーニング器具が整えられ、それらを利用しながら絵心の考案した様々な形式による勝ち抜き合戦を行う。そして299人を蹴散らし、最後に残った一人が世界一のエゴイストであり、世界一のストライカーになるという算段の絵心甚八による実験も兼ねたプロジェクトとなっている。
 そもそもの目的は日本のワールドカップ優勝であり、それを達成するためには世界一のストライカーが必要というのが絵心の言い分だ。このブルーロックプロジェクトでは最後の一人になれなかった人物、すなわち途中で脱落してしまった選手には日本代表に入る権利が失われることとなっている。要するに負ければフットボールプレイヤーとしての人生はおしまいの生き残りサバイバルゲームというわけだ。ここで主人公、潔達は世界一のストライカー目指して過ごすことになる。

登場人物紹介(潔、千切、蜂楽)

主人公:潔 世一(いさぎ よいち)
 身体能力において特筆する能力はなく、平凡なFW(フォワード)。所属するチームは県大会上位止まりのプロとは程遠い
高校の部活チーム。
 所属チームではFWとして二年生ながら試合に出場し、県大会決勝では絶好(自分が活躍する)の場面で、チームのスタイル「ワンフォーオール、オールフォーワン」に基づいたプレーを選択。自己中心的なプレーを選ばず、監督が志向するチームプレーを尊重した潔。結果その試合で自分が試合の主役になれるはずだったチャンスを逃してしまう。あのとき、違うプレーを選んでいたら、自分のプレーで試合を変えられたかもしれなかったという悔しさが彼の内なるエゴのベースとなる。

青い監獄(ブルーロック)の紅一点:千切 豹馬(ちぎり ひょうま)
 青い監獄に入った序盤はサッカーに対する熱意がなく、自己主張が弱い、エゴイストとはかけ離れた選手。
 赤髪で長髪のビジュアルから放たれる存在感に似つかわしくない覇気のないプレーで、青い監獄内で行われる試合では相手チームから、いわゆるチームの穴(弱点、狙い所)扱いを受ける。
 本来は他を圧倒できる能力で周囲と一線を画したプレーができるのだが、過去の出来事が理由となりそれを自らの意思封印している。
その後チームメイトから信頼を得て以降は「ワガママお嬢」の愛称で親しまれ、そのプレーで主人公の潔をはじめ、周囲の選手たちに影響を与え続ける。

超感覚派本能型変人:蜂楽 廻(ばちら めぐる)
 基本的には何事にも慌てたり焦ったりすることがなく、メンタルが強くて何事にも動じないというよりプレッシャーを感じにくく頭の中がお花畑なタイプの選手。
サッカーをしている時は基本的にワクワクしており、よく口角が上がっている。プレーの選択も、直感的にワクワクする方を選ぶ。
 そのスタイルで結果的に相手の想定外のプレーが生まれ、周囲との違いを生み出す。この時彼から生まれる選択肢は彼自身のイメージによるものが多く、技術自体は既存のものであっても組み合わせや細かいフォームの違いなどから彼の独自性を
生み出している。
彼がこのスタイルでプレーしているのには、自身の「フットボールプレイヤー」としてではなく、一人の「人間」としてのアイデンティティに大きな要因がある。サッカーを始めたときから常に自分の中にあったという、彼のアイデンティティはこのブルーロック内においても特異的なスタイルを実現させている。ブルーロック内で圧倒的な実力を持つ相手に、その差を見せつけられた時にも、彼のアイデンティティが自身を奮い立たせ、さらなるプレーの進化の原動力となった。

終わりに

 ここまで長すぎる文章を見ていただきありがとうございます。
 既存の作品に対しての一種の二次創作的なものになるので何よりもネタバレを避けることを意識した結果、作品内の紹介が割合的にとても少なくなってしまいましたが、直接内容に触れずに作品の面白さを伝えるという難しい試みをしたということで「挑戦的集中に没頭した」ことにさせていただきます。ひょっとしたら「FLOW」状態に入れてたかもしれません。
 半分以上読んでないよって人も見てくれてありがとうございます。
 好きなものは一人でも多くの人に知って欲しいものでありまして、私が人生で一番好きなもの、「サッカー」についてブルーロックという作品を通じて文章を書かせていただき、さらには皆様の目の届くところに私の記事が載るということに感謝しながら今回、この文章を書かせていただきました。本当に感謝の気持ちです。自己満足としか受け取れない内容になっているかもしれなかったですが、拙い文章力を露骨に出さないよう、文脈が崩壊しないよう努めましたので、どうかご容赦願いたいところでございます。
 ご意見等ありましたらコメントという形でフィードバックいただけましたら今後のこの活動のモチベーション、能力の向上に繋がりますので、何卒よろしくお願いします。
 今後もこのような記事を上げていきますので次の記事をぜひ楽しみにしていただきたいと思っております。
最後に、「ブルーロック」作者の金城宗幸様、ノ村優介様、そして全てのサッカー人にビッグリスペクトをお送りし、今回の記事の締めとさせていただきます。
 ではまた。

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この記事を書いた人

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奇を衒うのが好きです。文章を書くのが好きではありません。
アニメよりも漫画、漫画よりも小説派です。
話が長くなることが多いのが悩みです。成人男性です。
この世で一番好きな人はサッカー選手のレロイ・ザネです。彼はとてもイケメンです。

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