【ブルーロック】ストライカーのストライカーによるストライカーのためのエゴイストイレブン

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目次

前置き

 フットボールはその歴史の中で様々な変化を遂げてきた。それが進化なのか、それとも退化なのか定かでないものもあるが、間違いなく今現在のフットボールはその進化の歴史の中にある。
 科学、医療の発達により、身体の仕組みを細部まで可視化出来るようになったり、食事、睡眠の正しい摂り方にいくつかの答えが出たことで、身体能力を効率的に向上させることが出来るようになった。これも大きな進化ではあるのだが、フットボールの進化の本質はこれではない。
 やはり長い時間を掛けて進化したフットボールの要素は戦術だろう。
 世代ごとに流行の戦術はあるものの、ひとつ革新的な戦術が生まれれば、必然的にその戦術のメタ的な戦術がしばらくすれば生まれる。そうしてこれまでに幾つもの戦術が誕生してきたのがこのフットボールであり、フットボールが持つ最大の魅力である。
 ここでは、そんな無限の可能性を持つフットボールで日本を賑わせているブルーロック所属選手を作中の能力を参考にしながら、個人的適正ポジションを割り振り、そのフォーメーションを組んでみようと思う。
 それぞれのポジションに求めるものは私の主観と経験によるものですのでご理解を。

ブルーロック内で示した武器を活かしたポジション

フォーメーションは、
ディフェンスラインから、4-1-2-1-2
4バック、アンカー1枚、ボランチ2枚、トップ下1枚で最後2トップという陣形だ。
 

ゴールキーパー

臥牙丸 吟
 ブルーロック内で潜在的な身体能力が最も高いのが臥牙丸だ。長い手足を持っており、カラダのバネも半端ないため、あらゆるコースのシュートに触れることができるだろう。また、ブレないメンタルというのも責任の重いキーパーをする上では大きなアドバンテージとなるだろう。自分がミスした場面でも、良い意味で自責の念が湧かない選手というのは実際にも近年のブラジル代表ゴールキーパー黄金コンビを見れば頷けるだろう。あくまで超うまいのが前提ではあるが、そこからもう一つ選手を別次元に引き上げるのがこのメンタルだと思う。

センターバック

二子 一揮
 センターバックに必要なのはその屈強な体だけではない。フィールドプレイヤーとして最後尾を任されるセンターバックはフィールドの人間全てを一つの視野に収められる最終ラインという名の特等席から全てを見渡し、戦況を見極め選手に指示を与える役割がある。そのタスクをブルーロック内で最も自分のものにしていたのが二子だ。彼自身にスペシャルな能力はないが、戦況を把握し、数手先まで読んだ上で最善手を打つ。この力でブルーロックを生き抜いてきた彼にストライカーとしての才能は他に劣れど、そのストライカーという人種が最も嫌う守備の職人の気質が備わりつつあるのを感じている。

蟻生 十兵衛
 フィジカルこそ全てというのを体現しているのがこの“オシャ”の探求者、蟻生十兵衛だ。フィジカル重視の選手と聞くと一見ゴリゴリで汗臭そうな感じがするが、彼は全くそんなダサいプレーも身なりもしない。フィジカルといっても、彼が持つフィジカルというのは長い身長と手足と髪の毛、そしてそれにブーストをかけるジャンプ力だ。その能力だけでブルーロック内№2まで上り詰めた男の変態的な美学は非凡なブルーロック内の選手達を圧倒する個性となった。もはやセンターバック以外にどこが適正なのか、という声が上がってもおかしくない。(一応ブルーロックに集められた時はストライカーとして呼ばれているのだが。)

サイドバック

千切 豹馬
 私見だが、ブルーロックにおけるスピードスターは点取り屋には向いていない。
 彼の武器であるスピードは直線的な動きの中で発揮されるが、短い距離では100% その力を発揮することができない。実際、当時チームZとしてチームX所属の剣城斬鉄とスピード勝負を繰り広げた時も加速度に分がある剣城に短距離では負けていた。トップスピードでは千切が勝っているが、加速までの距離が無ければその脚力は意味を成さない。
 では、彼がこのスピードを十分に発揮できるポジションはどこなのか。サイドバックだろう。縦に十分なスペースがあり、攻撃にも十分貢献できるサイドバックであれば、前の選手の裏を抜ける動きでそのままクロス、中に仕掛けて自らフィニッシュまで。といったプレーがフォワード出身の彼なら簡単にできるだろう。もちろん、スピードがあるため相手のカウンターにも対応し、守備のタスクも十分にこなせる。現代のサイドバックは上下動を繰り返すだけでは物足りない感が否めないが、攻撃全振りサイドバックであれば、過去を鑑みてもその需要はあるはずだ。

蜂楽 廻 
 ブルーロック内随一のテクニシャン蜂楽をここではサイドバックにはめさせて頂いた。
 彼の武器は相手を翻弄する足技と正確な(潔用)パスだ。前線に配置してローリスクで足技を披露するのが安牌ではあるのだが、彼を最大限チームに落とし込むにはこのポジションが向いていると判断した。先程の千切とは正反対のタイプになるのだが、彼には内側に入ってプレーしてもらう。もちろん自陣の攻撃時だ。低いラインでマイボールになった時に攻撃の起点になってもらう。プレスが雑になりがちなフォワードを持ち前のテクニックで出し抜き、前を向いたらスペースに持ち出し、前線にボン‼とパスを出せば一気にこちらの得点チャンスという算段だ。
 また、逆のサイドバックもしくはボランチ、アンカーを務める選手と連携を取り、蜂楽が前線に上がることもできる。その時の蜂楽は本来の持ち味を存分に発揮し、圧倒的な個人技で敵を欺く。翻弄された相手は陣形を崩し、感覚がマヒしたかの如く、本来の動きが封じられる。蜂というのは真の武器を奥に潜ませ、普段は自慢の顎、サブウエポンで戦う。一撃必殺の武器を普段隠すことで肝心な時に確実に命中させる。これこそ蜂楽の真のプレースタイルなのではないだろうか。

アンカー

雷市 陣吾
 無尽蔵のスタミナ、驚異的な執着心で自らのセクシーフットボールを追い求める雷市。他人の不幸でメシウマタイプの彼は気づいていないかもしれないが、他人が見れば十中八九ディフェンスが向いていると言うだろう。作中では強い口調でチームメイトに得点を強要するシーンが見受けられる。彼自身、口ではこう言ってるがカラダの方は素直なようで相手の潰し役を任されたら文句を垂れながらもしっかりタスクをこなしている。序盤にはチームW戦で裏切りを見せたくぉーんに殴り掛かるという感情任せの行き過ぎた行為(この時はさすがにくぉーんの方がヤリすぎだろぉ!)も見られ、感情を(基本的には喜怒哀楽の“怒”)爆発させるプレースタイルは変わっていないが、単純な性格なためか、チームメイトに上手いこと言いくるめられ次第に理性を保てるようになり、同時にポジションがフォワードから下りつつある。

ボランチ

國神 錬介
 屈強なフィジカルと正義感、チームにとって重要な支えになってくれるのがみんな大好き國神である。
 國神に関しては正直消去法でこのポジションになった感があるのだが、彼自身はスペシャルな人間であることに違いない。
 彼の印象的なプレーと言えば、やはりミドルレンジからの強烈なシュートだろう。作品内では逆にキーパーとの一対一(強度の高いブルーロック内で一対一の場面がそもそも滅多に無いのだが。)や、ペナルティーエリア内でのゴールシーンというのはあまり印象に無いのが私の感想だ。待てよ、得意なゴールシーンがミドル。そしてゴリゴリの肉体。さらには自己犠牲を厭わない素晴らしい人間性。彼には中盤で守備的なタスクをこなしていただこうではないか。そして守備を頑張った者へのギフトとしてたまにミドルのチャンスがあればそれは逃さないでしょう。テクニシャンではないが、フィジカルを活かした強引な運びもできるため、充分攻撃の起点にもなれる。
 ボランチにはある程度相手に嫌われるプレーが求められると私は考えているのだが、ここに関しては彼は向いていないかもしれない。相手へのリスペクトを欠かない彼だ。紳士なプレーでクリーンにいくだろう。いや、相手によってはこの非の打ち所がない、揚げ足の取りようがないプレーに逆にイラつくのかもしれない。結果的に相手目線、ちょいウザ選手にはなっているのでオッケーでーす。 

潔 世一
主人公、潔は戦術眼に長けている。その眼で見たモノを恐ろしいほど正確に把握し、次のプレーにつなげることが出来る。ブルーロック内では最前線の一列後ろ(トップ下が多いイメージ)で最前線の選手(馬狼や凪)から美味しいところを奪うプレーで評価を高めてきた印象なのだが、これは潔のエゴが原動力となってこういったプレーになっている訳で、この能力を最大限発揮するとなると今までよりも一列下がったボランチが良いと思う。
 そもそもボランチの選手というと試合をコントロールするゲームメイカーが務めるイメージがあるのだが、これにバッチリ当てはまるのが潔ではないだろうか。ブルーロック内の試合では何度も相手の攻撃のラストピースを自身で阻み、ストライカー的エゴイストの思考回路を持つ潔らしい守備の魅せ方もできる。そして攻撃の場面でも同じ思考回路を駆使し、コンダクターのごとく周囲をコントロールし時には自由に動き回らせ、時には決まった役割に徹させる。全ては己のゴールのために。
 もちろん攻撃の組み立てに選択肢は多い方が良い。思考のスペックが低いとパンクしてしまうので少なくシンプルにいけるほうが向いている人もいるかもしれないが、潔の脳は超ハイスペックと言っていいだろう。そのため、関わることの出来る人数が多いボランチでカオスな戦況を見極めながら試合をコントロールする潔を見てみたい。

トップ下

御影 玲王
 凪のオフィシャルパートナー玲王。ニコイチ感が強い二人だが、どうやら愛は一方的なようである。しかも重めの。
 別に凪が同じピッチに居なくても十分やれるスペックは持っているはずだ。しかしモチベーションが凪と一緒に、と言う方向に向いているときはなんだか恐い。彼のカメレオンスタイルは個人的には結構好きである。高い水準の基礎技術の上に見よう見まねである程度の模倣が出来る器用さ。なかなかエグいスペックしてると言っていいだろう。しかも金持ちだし。ハイスペック人間うらやましい。ブルーロック内での彼を見ていると試合中の感情の浮き沈みが激しく(主には凪に振り回されて)プレーの質にも影響が出そうだが、彼は楽しそうにプレーしているときも潔に邪魔されてイライラマックス、挙げ句、若干の闇堕ちを経てもその技術に狂いが出ない。そう、全ては凪と一緒にプレーするため。
 玲王のサッカー人生の主人公は凪らしく、凪の前であれば脇役も喜んで引き受ける。ただし、隣には居たいので凪の最高のパートナーになるための努力を惜しまない。

トップ

凪 誠士郎
 ストライカーとして集められた人間を各ポジションで振り分けた時に、このポジションになれるということはやはりそれほど圧倒的な能力を持っていると言えるかもしれないが、正直凪と馬狼に関しては他のポジションをやらせたらどうしようもない雑魚になる未来しか見えなかった。つまり、完全に消去法でトップしかないという判断だ。
 凪の武器は奇想天外なボールコントロールだ。しかしながらそれはドリブルの流れの中では発揮されず、主にトラップの時のコントロールで真価を発揮する。となるとボールの受け手になる必要があるわけだが、如何せん彼はサッカーにおいては素人、考えてプレーすることに長けていない。もう一番前に置いておくしかないのだ。だが、それでいい。ロングパスを入れればどうにかトラップしてゴールまで行ってしまう。それが出来てしまうから、最前線固定でも無問題という考えである。あとは玲王が何とかしてくれる。

糸師 凛
第2次セレクション以降、潔に刺激を与え続けさらなる進化の重要なピースを担った凛。その技量はさすがといったところだ。完全に潔の上位互換と感じざるを得ないプレーに私も度肝を抜かれた。実の兄である冴に肩を並べるべく日々励んでいるわけだが、そこにも少し一方的な感情がある。凛は冴と一緒にプレーすることを望んでいるのだが、ただ一緒にプレーするのではなく年代でトップの実力を持つMF冴に釣り合う点取り屋としてプレーすることを望んでいるため、同じMFもしくはそれよりも低い位置でプレーすることを望んでいないように感じる。
 その想いで貪欲にゴールに迫り、どこからでも得点を狙う姿勢は生粋のストライカーであり、どこかの自分で得点できないかもと思ったらすぐに他人を利用しだすエゴイストとは一味違う。
 風貌もどこか潔と似ており、勝手に潔の一番のライバルだと思っているのだが、そんな選手が最前線でゴールに迫る姿を見せれば、自ずと潔も触発されてまた新たな化学反応が見られるだろう。

馬狼 照英(スーパーサブ)
 自身を王様と表現し、他を寄せ付けない風格を持つ馬狼。サッカーにも私生活にもこだわりが強く、とにかく他人に邪魔されるのを嫌う。協調性を必要としない馬狼こそ他との連携が不可欠なポジションが務まるはずがなく、必然的にこのポジションになった。圧倒的な推進力とゴールデンゾーンからの正確無比なシュートはまるで機械である。個人プレーのみでの打開力でここまでのクオリティを持つのはブルーロック内で彼のほかにそういないだろう。シュートのクオリティ、ドリブルのクオリティ、パス、トラップのクオリティで個人プレーを可能にしている選手もいるが、じゃあ一人だけでゴール前まで運んで、さらにえげつないシュートをぶち込めるのかと言うとそんなやばいやつはそういない。しかし、馬狼はその全てを高水準でこなしてしまうため、ブルーロック内では数少ないオールラウンダーの部類に入るのかもしれない。
 フィールド上のキングにはベンチで溜まったフラストレーションを敵味方問わずぶつけまくり、馬狼のエゴでゴールを挙げてほしい。
 

終わりに

 いかがでしょうか。本編と言っとること一緒やんけといった選手もいましたが、それは私と作者の金城先生の意見が合致したというビッグマウス発言でそういうことにさせて頂きます。
 やはり、好きなものについて考えて妄想する時間というのは楽しいです。今回この記事を書きながらそれを実感しました。海外のサッカーを見たり、戦術について知り、知識を増やすインプットとその知識を使って自分なりの考察や推察をするアウトプット。潔もこれを繰り返しながらパズルのピースを当てはめていると考えると私もこの記事を書いて一つ進化できたような気がします。
 ではまた。

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この記事を書いた人

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奇を衒うのが好きです。文章を書くのが好きではありません。
アニメよりも漫画、漫画よりも小説派です。
話が長くなることが多いのが悩みです。成人男性です。
この世で一番好きな人はサッカー選手のレロイ・ザネです。彼はとてもイケメンです。

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