クラゲ好きがクラゲと暮らしクラゲ愛を再確認してクラゲについて話すだけ。

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目次

なんとか人間に擬態しています。

前世はクラゲ、来世もクラゲ希望、現世での人間生活はあんまり向いていないなぁ……クラゲ島です。
大量発生し漁業に深刻な被害をもたらすエチゼンクラゲ、日本人研究者がノーベル化学賞を受賞したことで話題になったオワンクラゲ、不老不死のクラゲとして脚光を浴びたベニクラゲ、最近では水族館でもクラゲの展示に力を入れているところが多く、謎に満ちた生態ながら、現在では身近に、私たちの生活に関わってきているクラゲ。
「癒される」「可愛い」「神秘的」「食感がいい」……もう皆さん、クラゲ好きですよね、クラゲ島もその内の一人です。
詳しい方はもう知ってるよーな内容だと思いますが、クラゲ島の大好きな生物『クラゲ』、今回はその中でもミズクラゲについて、たゆたうようにお話していきたいと思います。

四つ葉のクローバーみたいな胃がチャームポイント、ミズクラゲ。

命の来し方行く末。

クラゲは、今から五億年ほど前の古生代カンブリア紀の『カンブリア爆発』からこの地球上にあるのでは?と言う説が一般的なようですが、まだ確定した説ではないようです。
体の95%が水分で構成されているうえ軟らかいため、化石として残りにくく、判明していること以前のクラゲの先祖については解明されていないことが多いそうです。
それでも、人との関わりは古く、日本では古事記に『久羅下』として、天地開闢の時の表現に使用されています。
それにしてもクラゲには、『久羅下』『海月』『水月』『水母』『鏡虫』と様々な漢字が当てられます。
『とこしえのうすもののそのした』『うみのつき』『みずにつき』『みずのはは』『かがみむし』と、語源はまた別のようですが、人々は昔から空に海に思いを馳せ、そこにある不思議に見惚れ、長くこの世界にある彼らに畏怖の念を抱き、そんな漢字を当てたのでしょう。

クラゲ島にて、ミズクラゲと出会う。

きっかけは、小学生の時、家族旅行で行った横浜でした。
港に停泊していた船の中の見学に行ったとき、船に移るための桟橋から下を見ると、そこには無数のミズクラゲがいました。
そこから、自分の中のクラゲメーターが振り切れてしまい……。
しかしその頃はまだ、クラゲを展示している水族館は少なく、展示があっても目立たない感じで、海にはこんな生き物もいますよ、くらいの扱いでした。
当然、お土産屋さんにもグッズは無く、自分でくらげくんと言うキャラクターを生み出して、描いて遊んでいました。
その時からヴィレッジヴァンガードに遊びに来ていたのですが、中学生になり、いつものようにお店に行くと、クラゲ飼育セットなるものが本棚の上に陳列されているではありませんか!
お値段は12000円くらいだったと記憶しています。
親に言えば反対されるだろうし、かと言ってこっそり買って隠して飼育することもできそうにありません。
お店に行ってはその商品を眺めて(中はまだクラゲ入っていないのに)、いいなぁいいなぁとにそにそするジャージ姿の客でした。
それから何年かして、とある日の中日新聞の夕刊に、福井県にあるクラゲ専門のクラゲ屋さんの記事が掲載されていました。その時はすごいお店があるんだなぁとずっと心の隅に置いたままになっていました。
さらに数年後、ツイッターで、そのお店のアカウントを偶然発見して、ホームページを見てみると、飼育セットの販売をしているとの記載があり、個人でも購入できるのか、思い切って連絡してみました。
お返事はOK!そしてクラゲと水槽セットを通信販売で注文し……3匹のミズクラゲが家にやってきました。
2019年12月22日。
水槽のセッティングをし、まだ小さい3匹は水流に乗って、元気に拍動していました。
自分の家にクラゲがいる感動と、夢が一つ叶ったという達成感(いや、自分は何もしていないのだけれど)と、これから大切にしていこうという決意で、胸がいっぱいになったことを覚えています。

クラゲ?何食べるの?

マニュアルに沿っての、クラゲといっしょの生活が始まりました。
ミズクラゲのエサは、アルテミアと言う田んぼによくいるホウネンエビに似た生き物を与えます。
このアルテミアは卵の状態で販売されていて、孵化器で“沸かし”ます。
スポイトで吸い取って、クラゲに与えるのですが、生きているので小さいですが良く動きます。
なんだかアルテミアも可愛く見えてきてしまい……可愛いクラゲの糧となる存在です、そりゃあ可愛いですよね……生きるとは、食べるとは。
水族館でミズクラゲを見ると、四つ葉のクローバーの部分(これは胃になります)がオレンジ色に見えることがあります。食後の状態です。
クラゲを食べるクラゲもいます(ウリクラゲの捕食シーンがYouTubeにありますが、一見の価値ありです!)。
けれど、同じ種類のクラゲは食べないようです。
何故か種類を見分けてちゃんと別の種類のクラゲをエサとするようです。
口に入って消化できれば、ある程度の物は食べられるのかもしれません。

いっしょに暮らそう、くらげーず!

いろいろな困難がありながらも、それでもクラゲとの日々は充実したものでした。
ミズクラゲは自分で泳ぐ能力がほとんど無く、水流が無いと死んでしまいます。
そのため、水槽の形状をU字にして、そこに水流を起こし、海中を再現して生かします。
飼育水槽は内側に2:1ほどで仕切りを作り、その上部には細かい穴があけてあります。
3分の2の方をU字にし、3分の1は形状はそのままにろ過フィルターとエアレーションを設置して、クラゲが巻き込まれないように部屋を区切りつつ水流を作り出します。
ミズクラゲのカサの中にエアレーションの気泡が入るとそこから穴もあくし、設備にぶつかれば傷だらけになってしまうので、水槽内を区切るのです。
水流が上手く作れずに、仕切り上部にある穴にカサや口腕が吸い込まれて、目を離すたびに仕切りから動けなくなってしまったクラゲを何度も救出しました……これが本当に心臓に悪くて……。
カサに穴があいたり、口腕がちぎれたり……ボロボロになりながらも拍動しているのを見たときは、もうめちゃくちゃ泣きましたね……。
水換えも上手くいかないと粘液を出し、弱ってしまったり……。
失った時が辛いからとクラゲたちに名前は付けず、と言いつつ、くらげーず1号2号3号と大きい順に呼んでいました。
水槽内の均衡があるのか、来たときは3匹とも直径5センチくらいだったのが、明らかに大中小の大きさになっていました。
最初はお玉で掬っていたのですが(お玉で掬われるクラゲめっちゃ可愛い!)、次第に1号はお椀に、ボウルにと器を大きくしなければならないほど成長しました。
それでも水族館で見るよりも、胃が小さくて薄っぺらな体つきでした。
野生の個体の方が、肉厚な体つきになるそうです。
中学2年生の学校行事で福井県の若狭へ行ったのですが、海での活動の時間に、浜辺に打ち上げられたミズクラゲを拾って、海に返していくという儀式(?)を一人でしていて、その時に触ったクラゲは砂にまみれながらもぷるぷるでゼラチン質であるというのがぴったりだったなぁと思い出しました。

ボウルにみっちりな1号。

クラゲは死ぬと、溶けて消えると言われています。
体の95%が水でできているうえ、死ぬと細胞の結合が壊れてしまうため、溶けてしまうそうです。
夏場、水槽にクーラーを付けたとき、水流がおかしくなってしまい、いつにも増して吸い込まれるという事態になりました。
2号が回復できるか解らないくらいにカサも口腕もボロボロになってしまい……エサもあまり食べられず拍動もぎこちなくなってしまったのですが、しばらくすると短い口腕が出てきて、カサも傷だらけで破れてしまってたのが再生し、胃が中心ではなく偏ってしまうもちゃんとできて……個体差はあるようですが、その生命力に驚きました。
その後……2号は口腕が根こそぎ全部取れてしまい、しばらくはカサだけ拍動していましたが、段々小さく弱弱しい動きになっていって。
1号は口腕が4本ともちぎれ、爪の先ほど小さくなってしまい。それでも拍動は止めませんでしたが、いつのまにか消えてしまっていました。
最後まで残った3号はクラゲノミに寄生されていて、ずっとくっつけたままでしたが、本体がどんどん縮んで……。

オレンジ色のくっついているのがクラゲノミらしい……。


約1年半のクラゲ生活は、夢のようでした。
家にクラゲがいて、時間があるだけ眺めて、写真や動画を撮って、エサをやって、水槽のメンテナンスをして。
寿命が1年くらいだとのことなので、ぐだぐだな素人の飼育でも頑張ってくれていたんだなと感謝しかありません。
またいっしょに暮らしたい思いはあるのですが、中々大変だったのと、より良い設備が欲しくなってしまったので、考え中です。

不可侵的境界線。

近年、ブームも相まって、水族館では素敵に展示された様々なクラゲを見ることができます。
「クラゲが足りないなぁ」と思ったら、水族館で補給ができます。なんていい時代!!
更に書籍やグッズが沢山出ています。
昔は、水族館でクラゲの商品を見ても全種類一通り買えるくらいでしたが、今では選びたい放題です。
美しい写真が載った図鑑も多く出版されて、本当に助かります。
クラゲは単なるブームではなく、水族館の定番の人気者になったと言えるでしょう。
しかし、クラゲには脳がありません。
そして大半のクラゲには毒があります。
彼らの海で出会えば、解り合うことはできずに、刺されてしまうと思います。
アクリル越しに、お互いの領域を侵さずに、別の世界から眺めていた方が、人にとってもクラゲにとっても、美しさを見つめるにはその方がいいのではとも思いますが、そうして安全な立ち位置でいられるのは水族館の人たちのおかげです。
これからも、クラゲをよろしくお願いいたします!!もちろん、ほかの生き物も。

猫好きの友人曰く、「我々は猫である、妄想ではない」

クラゲには脳がありません。
そのために睡眠はとらないと考えられてきました。
しかし最近の研究から、その説が覆されたようです。
彼らのとる睡眠は、人間がとるそれとどう違うのか、これから更に解明が進むと思います。
クラゲも何か夢を見ていたらいいなぁ……でも何も考えていないと言われるから、真っ白なあるいは真っ黒な、そんな夢なのでしょうか?

呼吸を辞めよう。月の光の奏でる波音に沈んで。

太古の海よりこの世界にあり続けているクラゲ。
強かでいて儚いその生は絶えることなく今日まで繋げられてきて。
多種多様の姿、不思議な生態、一体何がそこまで人間を自分を魅了するのか未だに言葉にできません。
生物は海から生まれたと言われているため、そんな遠い記憶が懐かしさを呼び起こすのでしょうか?
海辺でぼんやり波の音を聞いているだけでもとても穏やかな気持ちになれます。
まだまだ話し足りませんが、少しでも楽しんで読んでいただけていたら幸いです。
こんなお話にお付き合いいただいたあなたと、私に素敵な時間をくれたくらげーずに最上級の感謝を込めて。

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