【金子國義】少し古びた宝物の話【アリス】

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おもちです。

これを読んでいる人は「金子國義」という一人の日本人画家を知っていますか?

1936年生まれ、幼少の頃からその類い稀なる感性を持ち、一口に「芸術」といってもそれは絵画はもちろん、ファッション、版画、写真、映画美術と、多岐にわたり活躍された方です。

金子國義 L’Atelier (kuniyoshikaneko.com)

残念ながら、2015年に逝去されてしまいましたが、その魅力たっぷりな絵画、芸術には多数の芸能人のファンがいるほど、人気の方です。

L’Arc〜en〜Cielのhydeさんはソロ名義、HYDEとして活動される中で金子先生にアルバムジャケットを手掛けていただいていた程。羨ましい…?

現在でも回顧展を開催すると、大盛況で終えるほど、その人気は衰え知らず。

金子國義回顧展 – 金子國義  NEWS (kuniyoshikaneko.com)

そんな金子先生が描く絵画を見た人を惹きつける魅力、それはエロティックでありながら、どこか無邪気な子供さしさがあり、時々いたずらっぽさも見せるところだと、私は考えています。

目が離せなくなるんですよ、不思議なことに。

私がそんな金子先生の絵と出会ったのは新潮社から出ている一冊の文庫本、「不思議の国アリス」がきっかけでした。

ルイス・キャロル、金子國義/絵、矢川澄子/訳 『不思議の国のアリス』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

ルイス・キャロル、金子國義/絵、矢川澄子/訳 『鏡の国のアリス』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

金子國義先生と言えば、不思議な国のアリス

実は私、この文庫を手に取るまで「金子國義」はおろか、「不思議の国のアリス」の内容をほぼ知らなったのです。

ですが、そこは思春期真っただ中の中学生。そしてアリスと言えば、世界中で愛されるモチーフの一つ。雑貨屋さんなどでも見かけるグッズは赤や黒の色合いに、エプロンドレスのアリスや白兎、可笑しな帽子屋と、魅力的なキャラクターに溢れ、どうにも厨二心を刺激するではありませんか!それなのに、内容を知らないなんて、それはもうオタクが嫌う「にわか」そのもの。私はそんな風にはなりたくない!

と思ったかどうかはもう覚えては居ないんですけどね☺?

ただ、この世界中で愛されているお話を知らないままで居るのも…

そう考えた時に、私はこの金子國義先生が描いたアリスと出会う事になったのです。

初めて手にした文庫本。挿絵は石板に描かれていたようで、ところどころに細やかな線が見えます。

金子先生が描くアリスを初めて目にした時はとても衝撃的でした。

今まで目にしてきた、ディズニーやジョン・テニエルの描く可愛らしいアリスと違い、どこか大人びていてませた雰囲気のある顔に、短く切り揃えた前髪が可愛い「アリス」。

そして小さいけどぽてっとさした赤い唇が何ともセクシー!??

(中学生が読むにしては少し、もうほんの少~しだけ「アダルトさ」を抱いたのは秘密です。)

読み進めていくうちに出逢う、沢山の個性的なキャラクター。もうその時点で私はこの金子國義アリスの世界の住人の1人となった気持ちでした。

ちょっぴり意地悪なイモムシも、怖い赤の女王も、気品があり威厳がたっぷり。人間じゃないのに、人間味に溢れていて憎めない彼ら。

こうして初めて「読んだ」、と言うよりも初めて「歩いた」不思議の国は、金子國義と言う1人の画家の個性に彩られ、住人たちはその世界で生き生きと暮らしていたんです。

ただ、ここまでアリスワールドにどっぷりと浸かった私ですが、一つ問題がありました。

それは

挿絵があまりに良すぎて内容が入ってこない!!\(^o^)/

本末転倒〜!??

それはもうお話よりも挿絵を見るのが楽しくて仕方がないと思うほど!

だって、だって!うさぎと帽子屋の真ん中に居る、この舌を出している様にも見えるネムリネズミ、可愛くないですか!?

帽子屋も、今までイメージしていた姿と違い、どこか少年の様。私はこうじっくりと挿絵を眺める事によって、この世界にどっぷりと浸かり、抜け出せなくなってしまったのです!

それはもう、性癖や今までの趣味を変えられたと言っても過言では無いほど!

本棚の一角が国を時代を超えてしまうほど、この本は私の趣味を構築してくれました。

それほどまでに金子先生の描くアリスは今までTVやアニメ、グッズ等で目にしてきた「可愛らしい少女のアリス像」を見事にぶち破り、私に新しい世界を見せてくれたのです✨✨

ただ、何度も開くうちににこんなにもボロボロになってしまった「不思議の国のアリス」。

鏡の国と比べると一目瞭然。読み込んだんだなぁ。

もう古くなってしまってはいますが、この小さな2冊が私にとっての小さな宝物。

何となく「アリス、読んでみるか」と軽い気持ちで出会った一冊の本、「不思議の国のアリス」は、今までの私を形作る大きなきっかけとなり、そして初めて知った「金子國義」と言う、尊敬できる画家と出会えたきっかけもこのアリス。

私が好きなアリスと言う1人の女の子、それは金子先生に愛されたからこそ生まれ、日本中、世界中で愛される「もう1人のアリス」になりました。

是非、皆さんも今までの無邪気で可愛らしいアリスの他にも、金子先生が生み出してくださった、おませな顔のアリスに会ってみてください。

きっと、その魅力たっぷりの顔、小さな手と足で冒険していく勇気にアリスをもっと好きになれると思います。

願わくば、この「金子國義のアリス」が私と同じように一つの小さな「宝物」となりますように☺

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推しが出ないガチャでメンタルがマンボウと化した。

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