皆さまごきげんよう。
今回は前回に引き続き私、しおたろう100号がサブカル作品を好きになる切っ掛けになった作家さんについて語らせていただきます!
一人でも多くの方に興味を持っていただけると嬉しいです!
駕籠真太郎先生
駕籠真太郎先生。
ヴィレッジヴァンガードで見かけて思わず本を手に取ってしまいその唯一無二過ぎる世界観に虜になった人は十人や二十人どころではないであろう作家さん。
奇想漫画家を称するのが分かりすぎるくらいに駕籠先生の描かれる漫画はインパクトがめちゃくちゃ凄いのです。
私が駕籠先生の作品で一番最初に興味を惹かれたのは「喜劇駅前虐殺」というタイトルの本でした。
喜劇と虐殺という言葉は同列に使われても良いのか?とこの本の題名を始めて見た時、ビックリするとともに沢山の疑問符が頭を駆け巡りました。
読んでみたい気もするけど表紙が中々にグロくてこの本を見つけてから実際に読むに至るまでには結構な時間を要したのを覚えています。
そして意を決して本を購入し、読んだ訳ですがこれがまた一度読んだだけで理解するのは(色んな意味で)難しすぎて、親に隠れて(内容もタイトルも表紙も見られるのが気まずかった)数度読んでやっとそこで「難しく考えながら読まない方が良いのかも」という考えに行きついたのでした。
駕籠先生の作品の中には「喜劇駅前虐殺」の他にも「駅前花嫁」、「駅前浪漫奇行」と“駅前”とタイトルに付く本が複数冊あるのですが、どれも読切集で直接的に内容に関連性があるものではありません。
「喜劇駅前虐殺」の巻末に収録されている「駅前事典」という作中に登場する用語を説明してくれているページがあるのですが、その中に「駅前シリーズ」の項がありそれを読むとかつて人気を博した日本映画の「駅前シリーズ」についての説明があり、恐らくそれに準えてこの作品集が出来ているのだなということが分かりました。
駕籠真太郎先生は一言で説明するなら"エロ・グロ・ナンセンス"の申し子。
以前ご紹介させていただいた丸尾末広先生も同じように”エロ・グロ・ナンセンス“な作品の名手だと思っているのですが両者には決定的に違う点があると思うのです。
それは駕籠先生は汚いものを徹底的に汚く描いている点。
駕籠先生は作品柄う●こをよく描かれているのですが、それはもう臭いすら感じてしまいそうな生々しさなのです。
丸尾先生は汚いものすら美しく描かれているイメージだったのでそこは真逆だと感じながら読んでいます。
あと駕籠先生の作品はスプラッタ要素が多い。
駅前シリーズなんかはほぼ一冊血みどろな内容と言っても過言ではないくらい。
こんなにも血なまぐさいのにユーモアを感じてしまうのは駕籠真太郎先生の才能の一つだと思います。
駕籠先生ほど「この人の頭の中は一体どうなっているんだろう?!」と考えながら作品を読む作家さんは他にはいません。
それくらい本当に奇想天外で凡人には思いつきすらしない漫画。
次の項では駕籠真太郎先生の描かれた作品で最も好きなタイトルをご紹介したいと思います。
六識転想アタラクシア
「六識転想アタラクシア」このコミックを最初に読んだ時は本気で頭を思い切り鈍器で殴られたような衝撃が走ったのを覚えています。
上で駕籠真太郎先生と言えば「エロ・グロ・ナンセンス」だとか「スプラッタ」のイメージと書きましたが、忘れてはいけない項目で駕籠先生はSF要素の強い話も描かれているのです。
そのSF的な面白さのある話の中でも特に私が好きだと思っているのがこの「六識転想アタラクシア」なんですね。
簡単なあらすじを説明しますと、冴えないいじめられっ子の主人公・紺野しぐれは精神世界に入り込み他人の頭に入り込みその感覚を盗み見るのを楽しんでいました。
この精神世界に入り込むのは通称・解脱といって本来ならば修行を重ねないとできないことであり、それを経ていないしぐれは好き勝手し過ぎてよく弟・賢太郎に叱られています。
解脱中、現実世界で失禁をしてしまったりと何かと困りごともありますがこの行為はしぐれにとって唯一の楽しみであり、やめることなどできません。
いじめっ子に他人の記憶を植え付け、架空のトラウマを与えて溜飲を下げるなど精神世界にどっぷりつかる中しぐれの周りで原因不明の自殺が多発する事件が起き…
いや~駕籠作品を簡単に説明するのは難しい。
「六識転想アタラクシア」は私の中で駕籠先生の作品の中でも特にカラーの違う作品に思えています。
解脱という言葉から感じられるように宗教的な側面もある作品なのですが、この精神世界の描きこみは正に宇宙を見ているようでそこには科学的な情景を感じずにはいられないのです。
ここは恐らく実際に読んでいただければこの私の言わんとすることが分かっていただけるのではないかと。
スピリチュアルな話と取ることもできるけど、私的にはSFを読んでいる感覚が強いですね。
グロい場面も勿論あるのですが、何かと考察したくなる作品でもあると思っています。
そしてこの作品を読んだら是非とも読んでいただきたいのが「大葬儀」!!
こちらは短編集なのですが、その作品の中には「六識転想アタラクシア」で登場したキャラを主役に据えた読切作品も収録されているのです。
紺野しぐれは勿論、遠目塚先生や西川ちえり兄妹など「六識転想アタラクシア」で存在感を遺憾なく発揮したキャラクターが登場!
これはどっちも読まなければ損というもの!!
あくまでも私個人の主観ですが、「六識転想アタラクシア」は駕籠先生の話の中では割とマイルドな話だと思っているので何から読むか迷っているという方はこの作品から読むのも良いかも?!
ただ駕籠作品はどれもぶっ飛んでいて刺激が強い話ばかりで、万人が受け入れられる世界観ではないとも思っているので読まれる時は自己責任でお願いいたします!
でも本当にハマってしまったら沼でマジで抜け出せないのでサブカル好きな方には全力でオススメしたいかな。
奇想天外さを心行くまで楽しみたい方は是非!!
まとめ
ここまで駕籠真太郎先生の作品について語らせていただきました。
今回は主に「六識転想アタラクシア」について語ったわけですが、他にも過激で読むだけで脳髄を刺激されるような素敵な作品が沢山あります!
どんな作風なのかざっくり知りたいという方はまず駕籠真太郎先生のツイッターアカウントをチェックしてみることをオススメしたいです。
そこで見た作品が胸に刺さった人は、ようこそ駕籠真太郎沼へ!!
是非是非コミックスにも手を出していただきたい所存であります。
一人でも多くの方が駕籠真太郎先生の真の魅力に気付いてくださいますように。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
またお会いしましょう。
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