出会いは2016年、『ONE PIECE FILM GOLD』
GLIM SPANKY、有名すぎて仙台泉大沢店の隅から何を語れるのか。ライヴへ行き、アルバムを発売日に購入し全てのメディアをチェックするファンには敵いません。追いかけるものが多すぎて手が回りません。いや、オタクお金が追い付かないので正直にここは首が回らないと言うべきでした。それでもたまに「聴きてえな…」と音源に手を伸ばす中毒性がGLIM SPANKYにはあります。
初めてGLIM SPANKYを聴いたのは映画館。『ONE PIECE FILM GOLD』 の主題歌『怒りをくれよ』。大スクリーンに大音響、映画館という視覚聴覚の逃げ場がない環境で音と色の洪水に囲まれ鳥肌が立った。あのハスキーな歌声で怒りをくれよと歌うインパクト大の歌詞、エフェクターでバリバリに歪んだギターの疾走感。なんかオラ久しぶりにかっけえロック聴いたぞ…。
あれからずっと変わらずかっこええ。
神様はいるのかもしれない。もう心の中では何年もレミ姐さんと勝手に呼んでしまっている。不機嫌そうな声も表情も最高。私同じ時代に生きてて幸運だったことのひとつにGLIM SPANKYをカウントできる。
どうか飲みに行った店のカウンターにいて特に客と話すでもなく、注文の水割りをあしらうように混ぜて無言で出して、ふっとマイクを取って歌ってほしい。を具現化した（個人の思い込み）映像がこちらです！！！！！
いまの若い人たち歌うまいのね！と思う昭和の人間です。日本のロックはギターはかっこいいのに歌が…なんて言われていた遠い過去もありました。そのどちらもかっこいいのがGLIM SPANKYです。ロックのかっこいい部分だけを栄養にしたらこんな感じになるという理想を詰め込んだようなサウンド。
しかもファッション、オシャレ。ンめちゃくちゃオシャレ。（語彙はいずこ）
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それでは私のクソデカ感情を聴いて下さい
昨年アニメ化された漫画、『ぼっち・ざ・ろっく！』を観て、過去に一気に引き戻された（おもむろに被弾した）80年代バンドブームをモロ被りした大人の皆さーん！バイト代握りしめてレコード店に走ってLPをパタパタと一枚ずつ探した人！デモテープが文字通りカセットテープだった人！バンドの練習スタジオが地下で、階段の途中から煙草の匂いになっていく空気を吸い込みながらわくわくした人！ステージダイブ、モッシュ、ヘッドバンギング、ダイエースプレー。チケットを売る友達がいなかった、古着のシャツとブラックジーンズとかかとの割れたハイカットのコンバースが浮いちゃった同級生に誘われた飲み会という名の合コン。楽器屋の一番安いギターピックで弾いた、初めてのギターはフェンダーのストラトキャスターでしたか？弾けないぼっちちゃんだったみんな、あの頃のスタジオが、馴染みのライブハウスが今どうなったかもう気にもかけていないぐらい大人になってしまいましたか？
何かになりたくて何者にもなれなくて手のひらに何も残らなかった大人がこの世にはごまんとどの世代にもいて、中島みゆきの『ローリング』もそんな大人の歌ですが、ロックを通ってきた元ロック少年、元ギター少女たちが言葉にできなかったのを昇華してくれた歌なんじゃないかなあとおすすめして、クソデカ感情語りを終えたいと思います。
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