次のサッカーワールドカップはもう4年後!!すぐ!!

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ワールドカップの熱狂

 世の中にはフィクションノンフィクションの2つのストーリー展開が存在している。脚本家の好みや作家のこだわりを詰め込み、メッセンジャーとして何を受け手に感じさせるかを根本に置いた展開がフィクションである。その反対に受け手の反応を想定せず、演者の裁量でシナリオが大きく変わり、その目まぐるしい展開や想像だにしないハプニングの絵力により直感的に見ている者の感情を揺さぶることができるのがノンフィクションのストーリーである。
 ノンフィクションの物語においてもストーリーは、我々が思い描く「こうなってほしいな」という想いがある限り、そのシナリオがその人にとっての最高のストーリーであることに違いないのだが、そううまく行かないのがノンフィクションの展開であり、思い描いたシナリオ通りに展開が進むのだとしたらそれは誰かが意図してそうした、指示通りにやった、フィクションだ。仮に思い描いた通りにならなくても結果として最高の幕切れを迎えるのがワールドカップやオリンピックといった最高峰のスポーツの祭典である。勿論、ここで話すサッカーに限った話ではない。ワールドカップと言えばサッカーを連想する人が多いが、この名前を冠した国際大会はいくつもの競技で存在している。ラグビーやバスケットボールといった球技から、ウインタースポーツのスキージャンプも私に聞き馴染みがあるワールドカップの一つだ。これらの、スポーツにおけるプロの世界というのは単にレベルが高いというところにとどまらず、客演としても素晴らしいものがあり、どれだけ優れた脚本家でも描けない、文字通りのリアルショーはこれ以上ない最高のエンタテイメントだ。見る人それぞれ視点の主人公がいて、誰かの主人公がどこか遠い誰かのライバルになる。今回話すサッカーのFIFAワールドカップ(以下W杯)も現在211の加盟国でそれぞれ国最強のイレブンが集結し、その国ごとにそれぞれの目標を掲げて4年に1度、フットボールの最もアツイ場所を生み出している。加盟国数の多いW杯ともなると、さすがにある程度その実力に差が出てくるものだ。私たちの住む日本は1998年のフランス大会で初めての本戦への切符を掴むまで長年アジアの予選で苦しみ、「ドーハの悲劇」はこのひとつ前のアメリカ大会、アジア最終予選での出来事だった。直近でJリーグが発足し、遂に日本にもサッカーのプロリーグが始まったという日本サッカーが絶頂期だったこのタイミングでの悲劇に当時多くの日本サポーターがW杯出場という壁の高さを改めて実感させられたことだろう。そう、W杯の本選に出るということがあまりにも高いハードルであることを私たちは忘れてはならない。フランス大会以降、7大会連続での本戦出場という数字を見れば確かにハードルは言葉以上に高くは見えないかもしれないが、実際、前回のカタールW杯では世界で一番レベルが高いとされるヨーロッパで直近の最強チームがこのW杯予選で敗退し、データ上では本選に出場したヨーロッパの中堅国、アジアやアフリカで出場枠を勝ち取ったどこの国よりも1年前のヨーロッパ王者の方が弱いという見方ができてしまうのだ。この単純な実力上では起こり得ないことが起きてしまうのが、W杯予選である。ここで涙を呑んだスターでイレブンを組んだらある程度良いとこまでいけそうな布陣が組めそうなものである。毎年正月に疑問に思っていたのだが、箱根駅伝に出場している学生連合は個人としては力があるけど、大学としては出られるレベルに無いという選手の集まりだと認識しているのだが、なぜあんなにしっかり中位以下の順位なのだろうか。これもifの話ではあるが、W杯に出場できなかった選手のイレブンで本選を、W杯本選で優勝できなかった選手で優勝を目指すとして、限りなく実現可能なメンバーを揃えることはできるかもしれないが、逆説的に実際に優勝したメンバーを見ると、「いや、これで優勝できるのすごくないか?」となることの方が多くないか?。

主演男優賞 リオネル・メッシ

 サッカー界における今年、2023年の主役と言えばだれを思い浮かべるだろうか。
 この議題に入る上で忘れてはいけないのがやはりカタールワールドカップだ。一か月間の激闘の中でいくつものストーリーが生まれ、人々を熱狂の渦に巻き込んだ。常に自身と比較され、サッカー界永遠の議題の一つでもあるマラドーナorメッシ論争。クラブでは輝かしいキャリアを築いてきたメッシ。そんな彼も国際タイトルはA代表唯一の優勝が2021年のコパアメリカ。年代別ではUー23の代表として挑んだ北京オリンピックでの金メダルやUー20ワールドカップといったその年代のサッカー選手としてはこれ以上ないほどの箔がつくタイトルを取っているメッシ。個人としては高校2年生の年に世界最強のクラブでデビューし、これ以上ない逸材としてあらゆるタイトルを獲得してきた。我々一般人が大学を卒業する頃、彼は1度目のバロンドールを受賞した。
 しかし、念願のA代表でのタイトルを初めて手にしたのが34歳となれば、これは苦労人と言っていいだろう。
 そんな彼が年齢的にも最後と言われながら臨んだカタールワールドカップ。メンバーにはアルバレス、ラウタロ、ディ・マリアといった豪華な攻撃陣に加え、デパウル、エンソ・フェルナンデス、マクアリスターといった中盤を支配するダイナモ、酸いも甘いも知る我らがアニキ、ベテランのオタメンディ、最後尾を務めるのは非紳士的な行動がやや散見されるもその腕はプレミアリーグで正キーパーを務めるに相応しい実力、ようやく現れたアルゼンチンの頼れる守護神エミリアーノマルティネス。ゲームだけの知識で語る大学生みたいなことを言うが、このチーム戦力だけなら優勝を狙える。とは正直ならなかったのが私のワールドカップ前の心境だった。私目線、個々の力で見るとアルゼンチンよりも魅力的なスカッドを用意した国がいくつかあった。前回優勝国フランスはエースエンバペを筆頭に頂点の景色を知る勝者のメンタリティーが備わった選手たちに加え日々台頭し続ける恐ろしいポテンシャルを秘め、その力を開放しつつある若手の神童たち。クンデやカマヴィンガ、コナテにフォファナといった前回大会時ノーマークだった新生が気付いたら代表に定着している。
 ここで少し脱線するのだが、以前、故マラドーナ氏がフランス代表選手の独特なアイデンティティについて半ば負け犬の遠吠えのような格好で話していたことがあった。その時の発言を噛み砕き、自分の言葉を加えると、フランス代表はもはや人間代表である。これから話すことはかなりアンチグローバリズムの精神を感じさせ、今の時代においては淘汰されるべき思考であることは理解しているのだが、1個人の考えとして述べさせていただく。まず断りを入れておきたいのは、これから話すことは、実際のフランス代表とは関係があるようであまり無いということだ。オリンピックやW杯といった「所属するチーム=自身、もしくは先祖がルーツを持つ国」という世界で、その大会自体に固執した人間が自身の絶対に変えることのできない生まれ故郷というアイデンティティを手放してまで出場するというのが私はどうも理解できていない。少なくとも私は、日本代表選手の殆どが帰化、混血の選手になったとして、そのチームを同じフッドを持つクルーメイトとして素直に応援できる気がしない。あまり長く話すべきトピックではないので私の極論を話すが、世界中でその流れによって出場する選手が増えると、いずれどこどこ代表という肩書きは意味を成さなくなる。そもそも各国のピラミッドの頂点に立つ者だけがその国の代表として出場できるわけで、その1つ下に位置し代表になれなかった人は他所の国なら1番になれたのにという負け惜しみから禁忌を犯し、その他所の国に乗り込んだが最後、競技レベルが低い国であれば強豪国の上位選手の手に掛かればそんなもの平気で代表の座を奪われる。実際、フランスは各国から集めているとまでは言わないものの、やはり国柄移民が多いというのもあり、自然と異国の血が通った純のフランス人ではない人が多く集まってくる。それらは政治的な背景があるわけで、サッカーの為の政略ではないことは明らかなのだが、日本という、歴史的に見ても閉鎖的かつ島国、他の文化圏の人と交流するのを躊躇う傾向にある文化に暮らしているとあまり見ない光景だろう。この人種の入り混じった環境が、ある種現代のフランス代表を象徴する強さの根源なのかもしれない。フランスとは言いつつも、ルーツがアフリカ、中東諸国にあるという人が多くで、サッカーが強いから、フランスじゃない方だと弱くてW杯に出られないからという理由で代表を選択している選手も少なくないだろう。このパラドックスはフランスに、さらに言うとサッカーに限った話ではないため、いずれ大きな議題になりそうなものである。今は出る杭は打たれる理論でわかりやすくフランスを例に話したが、そういった面から、私やマラドーナのように強いフランスの勝利を素直に称賛できない。長くなってしまったが、こういった側面からもアルゼンチンの優勝というのは考えうる中で最も世界中のサッカーファンが笑顔になる終幕であり、それは同時にあまりにも出来過ぎたシナリオであると感じていた。
 ということで私は優勝予想をブラジルにしたのでありました。

強豪の動向

 開幕前の私の予想は、優勝ブラジル 準優勝イングランドだった。私自身がプレミアリーグを好んで見ているというのもあるが、やはり若手からベテランまで揃っている国という印象があったこの2国が確実に上位に食い込むと推察していた。その中でもやはり国際試合の不遇さが際立つシルバーコレクターイングランドはケイン、グリーリッシュ、サカ、べリンガム、フォーデン、ラッシュフォードそしてスターr、、といった他の国を見ても豪華と思えるほどの強力なアタッカー陣に加え、プレミア屈指のアンカー、ライスや経験豊富、クラブでは苦しい時も好調な時もチームを引っ張り続けたイングランド1頼りになるキャプテンこと、ヘンダーソン。守備陣は今季の降格を受け、2部所属にも関わらず、代表で正キーパーを務めるイングランドの権田ことジョーダンピックフォード。ここまで強力な布陣を擁したイングランド、結果はここで語らずとも皆さん楽しませて頂いたことでしょう。
 ブラジルと言えばやはりネイマールだが、最近はその後継と呼ばれだす世代、若手の台頭が多くみられ、20代前半選手のクラブでの活躍が目立った印象だ。レアルマドリードではミリトン、ロドリゴ、ヴィニシウスが、バルセロナではハフィーニャと、スペインの二大クラブにも代表選手が在籍している。プレミアリーグを見れば、まずはリヴァプールとマンチェスターシティで正守護神を務めるアリソン、エデルソン。アーセナルから2人のガビ、ジェズスとマルティネッリ。ユナイテッドは若手のアントニー、ベテランのカゼミロ、中堅のフレッジ。その他にもマルキーニョスとチアゴシウバの阿吽コンビやリビングレジェンドのダニアウベスなど、こちらもバランス良く選手がいるチームになったと思っていた。
 今回のW杯を見て一つ考えたのだが、即席のチームをまとめ上げることにフォーカスを当てたとき、チームに必要なのは横ばいになってみんなが二人三脚で歩みを揃えることではなく、圧倒的な個を置いてそれについていかせることで結果として理想の勝てるチームが出来上がるのではないだろうか。
 今回のアルゼンチン、フランス、クロアチアを見てそう感じた筆者であった。
 過去に選手としてサッカーをしていた時、指導者から「勝てるチーム」と「強いチーム」について持論を展開されたことがあった。これはその話を受けて自分なりに嚙み砕いた考えなのだが、「勝てるチーム」というのは単に練習量や実力に裏付けられた根拠のある自信をベースに俺は相手よりも真剣にサッカーに向き合った、自分以上にこの技術を磨き上げたやつなどいない、そんな自分に敵う相手などいない、というある種エゴイストな戦い方をする集団で、「強いチーム」は練習量、技術で劣るところがあれど、選手同士の関係性や一人間としての信頼関係を築き上げることで結果として、人間としての信頼をプレーに置き換える、いわばピッチ上のプレーにおいては根拠のない自信でそれぞれをリスペクトし、あいつならやってくれる、俺ならできるという挑戦的思考ができるのがこの「強いチーム」だと私は自分なりに解釈している。
 この理論をトッププロのチームに代入して考えると、今大会決勝はフランスが前者、アルゼンチンが後者であったように感じる。結果としてどちらのチーム作りが良いのかという話ではなく、試合の結果から逆算して、結果的にこのチームスタイルが今回は勝ったということでしかないのだが、単に実力があるチームが頂点に立つということの方が珍しいこのW杯においてはこういった視点での観戦も面白いと思う。この観方をすると、こういった短期間で同じメンバーと一緒に戦うW杯やオリンピックでチームとして、一つの人間によって構成される組織として優れているかということがある程度わかってくる。我々人間は人間だ。アスリートである前に1人間だ。どれだけオンリーワンの肩書を持っていようと”人間”の枠は逸脱できない。比喩表現として使われることはあれど、どんな凶悪な犯罪者であろうと、どれだけ革命的な発明をし、人間の文化を一つ上の段階に連れていってくれた神様のような科学者でも、人間である以上、誰か他人の為に発明をし、誰か他人よって称賛され、誰か他人によって悪を裁かれる。そこに空想上の生物や事象は干渉しない。
 つまり我々が人間である以上、完全に一人で何かを成し遂げることはおろか、生きていくことすらままならない中で、そんな人間が集まった時、集団としての私たち一人ひとりの在り方がその集団のクオリティとなるのだ。
 ここまで私はサッカーの話をしています。

残すところあと4年!!次回はこれまで以上のお祭りに!!

 カタールワールドカップのドラマはここで一つの記事にできるほどのボリュームではないので、テーマを持っていくつかに分けようと思う。今思いついたのだが、次のワールドカップまでに時間を掛けて振り返ったり先の話をしたりするの面白くないか!?てことでいっちょ前に綺麗に区切りをつけず、次につながるような演出だけしたところでお別れといたしましょう。
とぅーびーこんてぃにゅっどぅ


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この記事を書いた人

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奇を衒うのが好きです。文章を書くのが好きではありません。
アニメよりも漫画、漫画よりも小説派です。
話が長くなることが多いのが悩みです。成人男性です。
この世で一番好きな人はサッカー選手のレロイ・ザネです。彼はとてもイケメンです。

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