自分はスズキ※1推しです
といっても、寿司のネタでも、押しメンの話でもなく、バイクの話です。
そういえば、先日、駐車場でスズキのバイクを洗車していたら、ヤマハのバイク乗りの大家さんから「○○さんは鈴○さんなんですね((笑)」と悪気なく言われて軽くめまいがしました。
鈴○とは、スズキのバイクの熱烈的なファン(マニア)を指す某SNSのコミュニティで語られたスラングですね。
残念ですが自覚はあります。きっと最初に乗った原付バイクがマイケル・ジャクソンのLOVEだったからもしれません。王様(KING)の愛には逆らえません。「三つ子の魂百まで」といいますし。
日本の4大メーカーの中で、なかなかスポットが当たらない一番マイナーな人気を誇る、スズキ株式会社の作るバイクをお勧めする理由を語ります。
なお、写真の大部分は私物のメーカーカタログ、私物の書籍(雑誌、コミック)、私物のグッズをプリントしたものです。
※1 スズキは国内に4つあるオートバイメーカーのひとつ。バイクや自動車や船舶用のエンジン等のモノづくり会社
公式グッズ「シール・アイロン両用タイプのワッペン」が登場!!
名(迷)車を数多く選出
スズキというメーカーは、ヒットする商品を出す時は必ず「なんだこれは?」というモノを出すんですよね。
名車呼ばれるKATANA※2は、80年のドイツのケルンショーでデビューしたんですが、斬新すぎで賛否両論でした。
GSX-R750※は、他社では採用しなかった「油冷」という独自の発想の冷却方式と耐久レーサーそのまんまの形を採用して注目を浴びましたし、後に市販バイク最速を豪語するハヤブサもしかり。空力特性を重視したヌメヌメしたカウル形状と車体に大きく「隼」と書かれたロゴはとにかく異常でした。
参考文献:モーターマガジン社「レジェンドバイクス スズキ ハヤブサ」私物画像
その反面、失敗作も多く、GSX400Xインパルス※3やSW-1※4、チョイノリ※5、GS1200SS※6なんかは「なんだこれは?」を通り越して「大丈夫ですか?」の域にまで到達していました。
でも、何故か後世に見直されて人気が出てしまうんですよね。廃盤になってからプレミアムが付くなんてしょっちゅうで、消費者側の自分たちの感性が発売時には追い付いていなかったことに後から気づきます。
まあ、ここ最近はスズキの方も反省したのかあんまり突拍子のないバイクは出さなくなりましたが。
そんなスズキがお勧めです。スズキはいいぞ。
※2 斬新なデザインで有名過ぎるスズキのバイク / ※3 別名「東京タワー」。KATANAをデザインしたハンス・ムート作だが斬新過ぎて売れず
※4 レトロ感覚満載で登場したが高過ぎて売れず / ※5 社長の鶴の一声で爆誕した激安バイク
※6 カタログに書いてあるキャッチフレーズ「男のバイク」が超絶ダサい。でもコレがかっこよく見えてくる不思議
ケビンシュワンツは凄い
ここからは熱量が多いレーサーのお話。
オートバイレース界で誰もが「スズキのトップライダーとして連想させるレジェンド」といえばケビン・シュワンツ選手(以後シュワンツ)その人ではないでしょうか。彼は1993年のロードレース世界選手権(WGP)500㏄チャンピオンです。
参考文献:三栄書房「レーサーズ外伝 特集:ケビン·シュワンツ」私物画像
今でいうモトGPですが、かつて、WGPといわれていた88年の開幕戦日本GPで、ルーキーながらペプシカラーのRGVガンマでいきなり優勝した時の興奮や、ライバルと称されるヤマハのウェイン・レイニー選手(以降レイニー)のとの息をのむほどの死闘は、最高にエキサイティングでした。
引用元:Motorcycling royalty to join Wayne Rainey at 2022 Festival of Speed (海外記事)
https://www.goodwood.com/grr/event-coverage/festival-of-speed/2022/4/motorcycling-royalty-to-join-wayne-rainey-at-2022-festival-of-speed/
シュワンツのライディングの真骨頂はコーナリングで、スズキのマシンはホンダやヤマハのマシンに比べて最高速度が劣るハンデがありました。そんなマシンなのでシュワンツは直線では引き離されてますが、彼のブレーキングのテクニックは正に神がかっておりました。カーブギリギリまでブレーキを掛けず突っ込んでいき、コーナーでいっきに抜き去るという高等テクニックを見せ、互角以上の勝負をもたらしました。最高峰のWGPで並み居るトップライダーの中でもそんな芸当ができるの彼だけでした。
1991年ドイツGPでの「レイトブレーキ」でインからレイニーを抜く雄姿は、スズキのマシンとライダーのシュワンツが一体となって奇跡を起こした名勝負となっています。
引用元:Motorcycling royalty to join Wayne Rainey at 2022 Festival of Speed(海外記事)
https://www.goodwood.com/grr/event-coverage/festival-of-speed/2022/4/motorcycling-royalty-to-join-wayne-rainey-at-2022-festival-of-speed/
攻め過ぎるゆえに転倒も多く、「勝つか、転倒か」というシュワンツのライディングは今も語り草となっています。
あと、1989年当時のWGPのリザルト(戦歴)を見るとスズキに乗ったシュワンツが良い意味でも悪い意味でもいかに凄かったのかが痛いくらいに分かります。なんせ、1位または2位か、リタイアしかありません。メリハリあり過ぎです。
引用元:ケビン·シュワンツwikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%93%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%84
名のあるトップライダーは、他のワークスチームを渡り歩くことが多いんですが、シュワンツは93年に引退するまでスズキ一筋で戦いました。スズキとシュワンツは切手も切れない関係が今でも続いています。スズキファンなら誰でも知っている、彼が付けたゼッケン「34」はWGP初の永久欠番となっています。
参考文献:「レーサーズ03 ケビン·シュワンツが駆ったRGV⁻Γヒストリー」私物画像
シュワンツ中心の話になってしまいましたが、そんなレジェンドを発掘、トップライダーまでバックアップし続けたスズキのの先見性はやはり凄いと思います。スズキあってのシュワンツですからね。
引用元:Motorcycling royalty to join Wayne Rainey at 2022 Festival of Speed(海外記事)
https://www.goodwood.com/grr/event-coverage/festival-of-speed/2022/4/motorcycling-royalty-to-join-wayne-rainey-at-2022-festival-of-speed/
あんな興奮はもう2度と味わえないだろうと半ば諦めておりましたが、つい最近、2020年のモトGPでジョアン・ミル選手が再びワークスマシンGSX-RRでチャンピオン※になりました※。1993年シュワンツの後にチャンピオンになったケニー・ロバーツJr選手以来20年目、スズキがモトGPに復帰して6年後の出来事です。開幕戦では誰しもが予測しえなかった大金星でした。丁度、スズキが創立100周年記念となる年のチャンピオン※7です。あまりにも出来過ぎた結果に脱帽です。
そんなレジェンドを生み奇跡を起こし続ける最高のスズキです。
※7 チームエクスターとライダーの2冠を達成、世界グランプリ参戦60周年でもあります
「ばくおん」オタJKと「湯呑み」がトレンド
1970年代までは割と王道の立ち位置で人気のあったスズキのバイクでしたが、2000年代以降は、他社ブランド(ホンダ、ヤマハ、カワサキ)の躍進の反面、軽を中心とした自動車販売に注力したためか、ことバイク販売ではあまり元気のないメーカーになってしまいました。
その頃のスズキのスズキのオートバイは、車種もかなり絞っており、新型車両も数年間発表されなかったので仕方がありません。
「これじゃあいかん」ということで、当時の名物社長である鈴木修会長兼社長(当時)が「数年のうちに新型車両を12台増やす」と発表され、そこから徐々にスズキのバイクの快進撃が始まり、注目を浴びることとなります。
参考文献:日本経済新聞出版社「俺は、中小企業のおやじ」(鈴木修著)私物画像
時を同じくして、秋田書店からおりもとみまなさんの「ばくおん!」というオートバイギャグ漫画が始まります。
ストーリーは女子高生5人組(あとから1名加わりますが)がホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ、外車の各メーカーを愛するキャラクターがバイクに因んだ話でストーリーが進むやや毒があるギャグ漫画なんですが、中でもスズキ推しのキャラクターの女の子がとんでもない子※8で、その破天荒な行動と異常なまでのスズキ愛を持っており、この漫画のキーマンとなっています。のちにTVアニメ化もされ人気となり、バイクブームの裾野を広げることに貢献しました。
参考文献:秋田書店「ばくおん!14巻」(おりもとみまな著)私物画像
この女の子が宝物として崇めるスズキの湯呑み(実際に存在するお土産用のスズキ販促グッズ/SNS上での通称「聖杯」)があるのですが、この湯呑みのバリエーション違いが2018年の東京/大阪モーターサイクルショーで会場限定販売され大ブレイクしました。
参考画像:スズキ湯呑み2016年版 私物画像
オートバイ展示会場なのに湯呑みを買う為に来場者が押しかけて会場ブースを長蛇の列で埋めてしまう、前代未聞の出来事が起こった為、珍事件としてニュースにもなったくらいです。
参考画像:2018年東京モーターサイクルショーのスズキブース立て看板を写した私物画像
参考画像:2018年東京モーターサイクルショーのスズキブース立て看板
丁度、目玉の新型バイクの発表と重なってこちらも長蛇の列ができたのですが、並んだ来場者の列は恐らく湯呑の列の方が多かったと記憶します。
そんなおちゃめな面があるのがスズキです。
※8 鈴乃木凜っていうスズオタJKです
スズキのバイクに乗ろう
2022年にスズキのバイクファンには衝撃的な悲しいニュースがありました。本年度をもって全てのモトGP、耐久レース界から撤退をするという発表です。長らくレースでタッグを組んだヨシムラ※9とも決別したとのニュースは本当に驚きました。
でも、スズキはいつも荒波の中を乗り越えてきたメーカーです。数年後に必ず戻ってきてくれると確信しています。
世界ではカーボンニュートラル、排ガス規制の中で、いよいよ内燃機関も終焉するのではないかとの臆測が流れていますが、苦境を乗り越えて世界自動車不況に敢然と立ち向かう、前向きのスズキのモノづくりを今後も応援していきたいと思います。
時にチープだと揶揄されるスズキのバイクは、実は消費者に一番近い場所に寄り添っていることへの現れだと思います。
よく走り、よく止まる。しかも安く買える。歴史もあり、独特な個性もある。
バイクを一度降りた自分ですが、数年後にまた無性に乗りたくなる不思議な魅力を持っています。
一度乗ってみたら分かります。
シュワンツも言っています「好きなバイクに乗ろう。」(但しスズキ車に限る)
スズキのバイクはいいぞ!
コメント
コメント一覧 (4件)
読み終わった後にスズキのバイクに乗りたくなるような、そんなスズキ愛に溢れる最高の記事でした!
いいですよねスズキ!!
スズキ株式会社。後株です。
大事な名前なので訂正の必要があると思います。
百奇丸様
記事を書かせていただきましたスクエア4です。
拙い記事をお読みいただきまして、ありがとうございます。
「す、鋭い!!」
ご指摘のとおり、後株が正しいです。
スズキ株式会社ですね。
たいへん失礼致しました。
本文を修正しましたのでよろしくお願いいたします。
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