その山は、正気では登れない。
南極大陸奥深くにある、かのヒマラヤすら圧する大山脈。
これは、人類未踏の地に挑む登山家たちの物語である。
本日紹介させてもらうのは、『狂気山脈ネイキッド・ピーク』のアニメ映画プロジェクト。
公式サイトはこちら。
TRPGシナリオ「狂気山脈~邪神の山嶺~」を原案としたアニメ映画を作ろう、というプロジェクトでして、現在本編制作費用を募るクラウドファンディングが展開されております。
期限は5月中旬まで。
なんとしてもこのプロジェクトが成功してほしい!
パイロット・フィルムのクオリティで作られた本編を見たい!
そんな気持ちを込めて紹介させていただきます。
TRPGとクトゥルフ神話
いったいどんな話をアニメ映画化するのか。
そもそもTRPGとはなんぞや、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
テーブルトークロールプレイングゲーム、事前に作っておいたキャラクタになりきりシナリオを進めていくゲームです。
最近はダイス、成否の判定、耐久力や正気度の減少などを行ってくれるアプリを使うことも多いですが、基本的にはシナリオとサイコロ、紙と鉛筆があれば遊べます。あ、いや、あと遊んでくれる友達も必須。
TRPGにも種類はたくさんあるのですが、「狂気山脈」はH・P・ラヴクラフトによって生み出された「クトゥルフ神話」を背景にして展開されるシナリオです。
ぶっちゃけ昔はクトゥルフ神話って、世界のどこかに実際に語り継がれてた神話だと思ってたんですよね。完全創作って知ってびっくりした。しかも今いわゆる「クトゥルフ神話」と言われてるものも、ラヴクラフトが書いたわけではなく、ラヴクラフトの小説のなかで断片的に語られたものを別のひとたちが体系化したものっていう。ややこしい。
んで。
ラヴクラフトの書いた小説「狂気の山脈にて」をもとにして書かれたシナリオが、「狂気山脈」となります。
作者はまだら牛さん。プロジェクトの制作総指揮者でもある方です。
舞台は人類未踏の地である南極大陸。
標高一万メートルを超える山脈に登るという話ですが、もちろん現実の南極大陸にはそのような山脈はありませんし、現在もヒマラヤ山脈、エベレストが世界最高峰の山であることに間違いはありません。
ラヴクラフトが活動していた時代にはまだ南極大陸はヴェールに包まれた謎の領域だったわけですね。
TPRG「狂気山脈~邪神の山嶺~」とは
まず、TRPG「狂気山脈」とはどのようなシナリオなのか。
プレイ動画をご覧いただくのが一番分かりやすいかと。
ガチの山屋たちが集まってのプレイなので、リアリティあふれるロールプレイは一見の価値あり。
途中途中に挟まるリアル登山風景も雰囲気あってめちゃくちゃ良い。
登山用語の解説も丁寧にされているので、一時停止しながら見ることをお勧めいたします。
できればラヴクラフトの「狂気の山脈にて」を読んでおいたほうがより楽しめますかね。
ラヴクラフトをまとめて読むなら、東京創元社さんの全集が文庫だし手軽で良いかと。
「狂気の山脈にて」は4巻、「窓に! 窓に!」で有名な「ダゴン」は3巻に収録。
あと、ちょいちょい山岳小説『エヴェレスト 神々の山嶺』(夢枕獏著)ネタが挟まってくるので、こちらも併せて読んでおくとベスト。
私はこの動画で知って読んだのですが、読後言葉を失いました。
のどの奥がひりひりする感じをぜひ味わっていただきたい。
これは初期シナリオなので、現在販売されているものだと雪崩でのダメージ値が異なってきたりしてるそうです。
動画内で「1D10」だとか、「2D6」だとかいう言葉がありますが、これは「10面ダイスを1つ振る」「6面ダイスを2つ振る」という意味。
基本、クトゥルフ系TRPGで一般的な人間の耐久力は12前後ですので、まあ、雪崩のダメージ判定4D6で最大24くらったら即死。
雪崩ですから、そうなりますよね。
一歩間違えれば即ロスト(キャラクタの死)。
このシビアさが狂気山脈の魅力。
TRPGは同じシナリオでもプレイヤの選択、サイコロの出目によってストーリィは大きく異なります。
最悪、プレイヤ全員が道半ばで死んでしまう、なんてことも。
ほかにも有名実況者さん、VTuberさんたちがプレイされている動画がたくさんあるので、検索してみてください。
賛否両論あるのは存じてますが、個人的には、驚天動地倶楽部さんの狂気山脈が好きです。
ナビゲート(というスキル)必須だっつってんのに取ってこないところとか、結局鎖鎌でごり押ししてるところとか、そこをまとめ上げてるキーパーさんの力量とか、最高ですね。
ちなみに、この驚天動地倶楽部のディズムさん主催、小ka栗ショーンさん主演の舞台演劇『狂気山脈単独登頂』も面白いので、興味のある方はぜひ。
大黒壁のとこの演出とかめっちゃ鳥肌立った。
第一回目クラウドファンディング
TRPGのシナリオを下敷きとして作られる新たな物語。
実はこのプロジェクト、2021年10月~12月に一度クラウドファンディングを行っております。
目標額は800万。
そこにまだら牛さんの全財産をのっけてなんとかパイロット・フィルムまで形作ろうという予定だったそうですが、「いやいや、牛さん、そんな身銭削らなくても……!」と思った私みたいな人間がたくさん集まったみたいで、ふたを開ければ、最終着地は1億円超え。
クラウドファンディングサイトCAMPFIREさんの「漫画・アニメ」カテゴリにおいて、支援金額、支援者数ともに歴代一位という偉業を達することに。
この費用を注いで制作されたパイロットフィルムがこちら!
ね?
ね!?!?!?
ものすごいクオリティでしょ?
このクオリティで全編作られたアニメ、見たくないっすか???
私は見たい。
本編制作クラウドファンディング
そして、今現在展開されているものが、本編制作のためのクラウドファンディング。
https://camp-fire.jp/projects/view/653933
正直、1億あっても本編まで作れないんだなって思いましたが、パイロットフィルムを見たら、これは当然だわ、となりました。
当初の目標額は8000万で、それは開始して三日で到達しちゃってるんですよね。
で、現在は新たな目標として、CAMPFIREでの全カテゴリ一位を目指す、とのこと。
数字でみれば、支援額3億400万、支援者数24747人を超すということです。
できれば達成してもらいたい、そして完成したアニメ映画「狂気山脈」を見たい!
まだら牛さんご本人は、無理な支援をお願いするつもりはない、とおっしゃっておりまして、広報活動でより多くのひとにプロジェクトを知ってもらうことで目標を達成したい、とのことです。
微力ながらそのお手伝いができればな、と思い、勝手に紹介記事を書いているところでございます。
様々なリターン品も用意されてますので、興味を持っていただけたら一度覗いてみてください。
先日ね、バッジがね、リターン品に追加されましてね。
流れるように支援しに行きましたよね。
届いたらエプロンにつけて働くんだ……!
(ヴィレヴァン店員のエプロンと名札は性癖の縮図ですので。)
コメント
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