野暮を承知で『虚構新聞』の面白さについて語りたい!!

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虚構ニュース前史

1938年、オーソン・ウェルズによる『宇宙戦争』の朗読がラジオ放送された時、本当に火星人が襲来したと勘違いした人が続出し、大パニックになったという逸話があります。

その話、聞いたことがある!!という方も多いでしょう。

実は、現在ではこの話の信憑性は疑わしいとのことで、リアルタイムでパニックは起こっておらず、翌日に当時の新聞が派手に報じたことから広まり定着した、一種の都市伝説である、という説が有力だそうです。

人類史上初の、広域同時受信メディアであるラジオが一般に普及する過程で

「放送されたフィクションが本物のニュースと誤解された」ことが
「ありそうなニュース」として広まる

という、二重の「虚構のニュース」騒動が起こったという事実は、その後の人類のメディア狂乱時代を予言しているようで、なんとも面白いと思いませんか?

時は流れて21世紀。
人類史上最大のメディア装置であるインターネット上に、宇宙戦争騒動のような面白さを、意図的に産出するサイトが誕生したのでした。
その名も『虚構新聞』

虚構新聞誕生

虚構新聞社HP社主ごあいさつhttps://kyoko-np.net/goaisatu.html

公式ページには1880年4月1日の創刊以来~とありますが

そこは虚実ないまぜの虚構新聞

実は2004年3月に社主のUK氏が運営する個人ニュースサイト上で、「エイプリル・フール限定の嘘ニュース」を掲載した事が始まり。
その後もエイプリル・フールに留まることなく、嘘ニュースの投稿を続け、「虚構新聞」として独立させたのだそうです。

エイプリルフール限定の嘘ニュースが、恒常的に投稿されるようになる、というその成立時からして、『ねじれ』とでもいうような『メタ的な立ち位置』が面白いのですが、このメタ的な面白さは、どんどん発展していきます。

「実際にありそうで実は存在しない」

信頼されない言論・報道機関として、その使命を果たしていきます。

虚構新聞社HP社主ごあいさつhttps://kyoko-np.net/goaisatu.html

今後も現実と虚構の区別をあいまいにするような報道を心がけたいと考えています。

虚構新聞社HP編集局https://kyoko-np.net/hensyuu.html

とある通り、「実際にありそうで実は存在しない」報道が魅力の虚構新聞。
その面白さの要素にまず、現実とのリンクがあります。

例えば、昨年開催された東京五輪。
開催直前までトラブルが続いた当時、虚構新聞が出した速報がこちら

リアルタイムとそれ以外の時期に読むのとでは、面白さが段違いではないでしょうか。

「実際にありそう」感の元になる、リアルタイムの現実社会の反映は、
時に社会風刺の様相を帯びることもあります。

宮武骸骨『滑稽新聞』を彷彿させる、ユーモアと風刺のバランスが絶妙です。

さらに、現代のメディアである虚構新聞には、情報のリアルタイム更新が可能なことにより以前報じた虚構記事が現実に起こってしまった時、即座に『誤報』として『お詫び記事』があがるという
21世紀的な面白さのアップデートまであるのです。

ネットミームとしての虚構新聞

過去の誤報としては、何と言ってもまずはこちら

最近では、こちらの誤報が記憶に新しいです。

森永グロス発売の際には、現実に影響を及ぼしたことへの謝罪が報じられました。
種なし柿の種発売の際に至っては、読者からの指摘よりも前に、社主が誤報を把握していたにも関わらず、隠ぺいしようとした顛末まで報じられ
あまりの誤報の多さに、
第三者委員会を開催すべき
という話まで出ました。

あとから現実に追いつかれ、先行の虚構記事が誤報になってしまったことに謝罪し、さらにそこに虚構新聞社社主UK氏もパーソナリティとして出演している『立岩陽一郎のファクトチェックラジオ』

の立岩陽一郎氏から、ファクトチェックが入るという
虚構と現実の反転、虚構と現実のネタのあいまいさ、
まさに虚構新聞の真骨頂!!

そんな美味し過ぎる一幕でした。

ここまで、野暮を承知で、虚構新聞の『個人的ツボ・ポイント』をなんとか説明しようと試みて来ましたが、少しは伝わりましたでしょうか。
実は僕が言葉をつくしてきた『虚構新聞ならではのメタ的面白さ』端的に表した一言があります。

『虚構新聞かと思った』

いわゆるネットミームです。
今や、虚構新聞内の誤報に留まらず、現実に起こった冗談のようなニュースに対して先回りで『まるで虚構新聞のようだ』とする逆転現象が起きているのです。
いずれは『事実は小説より奇なり』のような慣用句として
辞書に掲載されるところまで行きつくのかもしれません。

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この記事を書いた人

ヴィレヴァン歴ン十年。全国異動中のサブカルおじさん。

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