小豆あらおか、人捕って食おうか、シャキシャキシャキシャキ

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これはスタッフのMさんが体験したお話です。

ライター:Ryo

信じるか信じないかは、あなた次第。

目次

コンッ、コンッ

どうも、F県出身の僕です。

前回実際に体験した奇妙な体験をお話しましたが、

今回は少しだけ怖い体験をお話したいと思います。

僕の実家は少しだけ変わった造りになっている。

地上2階、そして地下がある。

1階に台所や茶の間、そして祖母と自分の部屋があり、

二階にその他家族の部屋がある。

そして地下は浴室とトイレがあり、その他にも”地下”にはスペースがあったが、

僕が子供の頃暮らす上での生活スペースはそれだけだった。

それ以外は坂道にある実家を利用して親父の車を止めるための駐輪スペース、

野菜やお米を補完する部屋、そして

祖母以外に入るのを禁じられた部屋に繋がる固く閉ざされた扉。

だが禁じられているがその部屋にあるものは教えられていた。

「あの部屋には古い井戸がある」

そう祖母は教えてくれた。

『電気がついてないからその古井戸に落ちてしまうので硬く扉を閉ざしている』とは祖母の弁。

だが、そんな古井戸だけの部屋にしては広すぎるし、

何よりなぜ電気をつけていないのか不思議だった。

そんな古井戸の上に家を建てたのかも謎だった。

その古井戸のちょうど真上が祖母の寝室だった。

広い畳の和室。

祖母が好きだった演歌歌手の写真以外に、

日本人形、提灯、恐らく偽物であろう侍の鎧のようなものなど

祖母の趣味があふれていて、

他の部屋と違って扇風機をつけなくても涼しく快適だったので、

よくそこで小さい頃は図書室や図書館で借りた本を読みふけっていた。

そんなある日の午後、二階の自分が置いてるものを取りにいった時、

二階に通じる階段を上って扉に手をかけた時、扉の向こうから

コンッ、コンッ

とノックされた。

だがそれはおかしい現象だった。

なぜなら今その時実家には、自分と祖母と、

祖母の友人の鉄砲撃ちのKさん(猟師だったので僕はそう呼んでいた)しかいないはずだった。

そして祖母とKさんは一階にいるのは明白。

その時誰も二階にはいない、いや、いるはずがなかった。

僕は一拍置いて、わーーーーーーと大きな声を立てて一階の祖母の元へと向かった。

そしてノックされた事をまくしたてると、

「おめぇ、そりゃ” あずきあらい” だぁ」

と祖母、そしてKさんは笑いながら言ってきた。

「この辺にゃ、むがしから”あずきあらい”がいんだ」

と言ってきて、

「大丈夫だぁ、悪さしなぎゃ大丈夫だ」

と僕に向かってほほ笑んで頭を撫でてくれた。

その後祖母が二階に行って確認してくれたが何もおらず、

僕も気のせいだったのかと思うようにしたが、

実はもう一度”あずきあらい”の話を祖母から聞く事になるとはその時はついぞ思わなかった。

隙間

”あずきあらい”事件から幾日がたっただろうか、

僕は近くに住む親せきのおじちゃんの家に、僕と祖母で遊びに行く事になった。

その親戚の家は俗にいうお金持ちで先祖はこの辺り一帯をおさめていたといっており、

実際山をいくつか持っている地元では有名なおじちゃんで、

家は川を渡っていった先の所有している山の麓にあった。

おじちゃんの家は大きな家で、

離れには先祖が当時雇っていた人たちが住んでいた長屋がそのまま残されており

川を渡り、その長屋がある小道を進んでいった先に更に山へと昇る道と、

おじちゃんの家に続く道に分かれる形になっていた。

そして祖母と遊びにいったが、正直すぐに大人同士の話も飽き、

川から歩いて10-15分ほどにある小さな駄菓子屋に向かうことにした。

まぁ多分僕が暇そうにしていたので、

祖母が気を利かせてお金をくれたので

駄菓子屋にいく事になったのが正解だったと記憶しているが、正確には思い出せない。

とにかく僕は駄菓子屋に向かい、

握りしめたお金で買えるお菓子を買って上機嫌でおじちゃんの家へ向かった。

そして川にかかる橋を渡ろうとした瞬間『何かが違う』、違和感をなぜか覚えた。

音がしたわけでもないが、なぜかその時、今思い返しても不思議だが、違和感というものを感じ足が止まった。

そして『違和感』を確かめるべく、目だけを動かして視界の端から端をゆっくりと、注意深く、丹念に見つめた。

川、橋、木々、長屋、女の子、長屋、、、

そう、僕は気づいてしまった。

長屋と長屋の間から右半分だけ顔と体を出している女の子がいる事に。

その瞬間生まれて初めて金縛りというものにあった。

正直言えば僕が経験したのが金縛りなのかはわからないが、

体が動けなくなった。恐怖からか声も出せなくなってしまった。

そして目はずっとその女の子から離せない。

なぜかずっと。

そしてどのくらい経っただろうか、声がかすれかすれ出せるようになり、そこで振り絞って

「ばあちゃーーーーーーーん」

と大声を出した。

何度も何度も

「ばあちゃーーーーーーーん」

「ばあちゃーーーーーーーん」

と叫んだ。

すると祖母とおじちゃん、おじちゃんの家にいた大人たちが何事があったのかと駆けつけてくれた。

そこで泣き叫ぶ僕を見つけ、おじちゃんの家に連れていってもらい、

ようやく落ち着いた頃その時に起きた事を祖母をはじめとする大人たちに説明した。

そうしたら、大いに笑われた。

それはもうゲラゲラと大爆笑。

「おめぇ、そりゃ” あずきあらい” だぁ」

といつか聞いた事を言われ、僕が見た女の子がいた隙間はとても人が入れる隙間ではないと言われ(後日確認したら確かにそんな隙間ではなかった)、何よりこの山におじちゃんの家関係者以外、子どもがいる事はまずありえなかったから、地元に伝わる”あずきあらい”に僕が化かされたという事になった。

そしておじちゃんの家からの帰り道、祖母が

小豆あらおか、人捕って食おうか、シャキシャキシャキシャキ

と小豆あらいの歌を楽しそうに歌いながら歩いたのを覚えている。

そうして僕にとっては『とても怖いけど恥ずかしい体験』となり、「もう誰にも言うものか、おじちゃんの家にもいかん」と思った。

それから数日たったある日、祖母と二人で実家でくつろいでいると

「おめぇ、暇だがらあの時の話もぉ一回してみ、ちゃんと聞いでやっがら」

と、例のおじちゃんの家の出来事について尋ねられた。

そこで『絶対に笑わない』という話の条件の元、おじちゃんの家でした時よりもっと詳細に話した。

最初の頃は笑みを浮かべながら聞いていた祖母だったが、途中から顔が険しくなり、急に『その女の子』について尋ねてきた。

背格好は?とか、髪型は?とか、どんな服きてたのかとか。

そして話を終えても黙ったままの祖母に「どうしたの?」と聞くと、こう答えた。

「おめぇの見だのは、多分俺の妹だ」

話を聞くと祖母の妹は戦時中体が弱く、ちょうどその辺りで亡くなったのだという。

そして僕の見た『その女の子』と、背格好や髪型、きれいな和服を着ていたことなど特徴が合致したのだそうだ。

それから僕はおじちゃんの家は怖くなくなり、恥ずかしい思い出もなくなった。

そしてもうそこで隙間にいた『女の子』を見る事は二度となくなった。

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この記事を書いた人

小さい頃から好奇心旺盛
色んな事に今でも興味ありすぎます!
知りたい欲求を皆さんと共有できるような記事書いていきたいです。
今の将来の夢は海賊王です。

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