『アンリアルライフ』~ふしぎな夜の街を旅するおはなし

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大学時代、友人とただしゃべりながらひたすら夜の街を歩くのが趣味だった、いとうさです。

詩人萩原朔太郎は、道に迷った時、住み慣れた町が見覚えがあるようでいて、まったく知らない裏側から見た別世界のように感じた、という経験から、旅先で故意に方位を錯覚をさせ(要はわざと迷子になり)、不思議の国に迷い込んだかのような気分を味わうことを趣味としたそうです。
その体験をもとに、『猫町』という散文を書いています。

朔太郎ほどの感性はなくとも、月明かりと街灯に照らされた人気のない夜の街が、自分の知っている街と違う世界のように思える瞬間、というのは多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか?
そんな夜の路地から『アンリアルライフ』の物語は始まります。

引用元:Nintendo ​eショップ特設ページ/アンリアルライフ https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000029736.html
目次

アンリアルライフとは?

こちらの予告動画だけでも、グッとくる人にはたまらないと思います。

どんなゲームか、ざっくりとご紹介しますと。

アンリアルライフは、記憶をなくした少女『ハル』ちゃんが、(高性能)AI搭載信号機『195を相棒に、不思議な夜の街を旅する謎解きアドベンチャーゲームです。
相棒が信号機、というのがまず???ですが、ハルちゃんが旅する先では、不思議な顔の形をしている支配人、マリモのシェフ、職人のネズミ、ニヒルなペンギン、頼りになる犬さん等々、普通ではないユニークな人々(?)と出会うことになります。
この不思議なキャラクターたちが、キャラが立っているのはもちろん、ゲームを終えるころには別れたくなくなるような、そんな人々(?)なのです。

そんな登場人物筆頭、まず相棒の195のキャラが良いです。
ある程度より上の年代には、『ナイトライダー』の人工知能K.I.T.T.や、『魔神英雄伝ワタル』の龍神丸みたい、といえば伝わるでしょうか(笑)
基本、まじめで有能なんだけど、ちょっと抜けたところのあるキャラクターで主人公の良き相棒(バディ)。
まず、なぜ信号機?となりますが(大抵の人がそうでしょう)すぐ気にならなくなりますし、実は信号機である意味も……。

引用元:アンリアルライフ公式HP https://www.unreal-life.net/

路地や信号機、そのほかにも現実の世界の要素が多く反映された世界ながら、確実に現実とは違う世界。
やさしい登場人物たちと穏やかな夜の世界。
ですが、ゲームを進めるうちに、不穏な雰囲気が見え隠れします。
優しい夜の世界の空気、不思議な街の空気、不穏な現実の空気、そういった『空気』が、『ゲーム表現』として感じられる、これがアンリアルライフの魅力のひとつだと思います。

この『空気』の魅力と『ゲーム表現』としての魅力を中心に語っていきたいと思います。

美しいピクセルアート

アンリアルライフのキービジュアルでもある、最初に目覚める路地や、誰もいない商店街、といった見慣れた現実だけど非現実のような夜の街。

引用元:アンリアルライフ公式HP https://www.unreal-life.net/

現実を色濃く反映した街に対して、ホテルや美術館や図書館さらには後半の旅やその果てにたどり着く場所などは、より幻想的な雰囲気で描かれていて、それがひと続きの世界として表現されています。

実際にゲームをやってみると強く感じるのですが、これは実写はもちろんアニメともイラストとも違う、ゲームならではの表現だと思います。

引用元:アンリアルライフ公式HP https://www.unreal-life.net/

その表現を支える要素のひとつに、まず美しいピクセルアートがあります。
一昔前の呼び方だとドット絵。8bit~16bit時代のゲーム画面のイメージですが、近年ではゲームから離れたイラスト単体で、出力された作品としてもデジタルアートとしても、一つの表現ジャンルとして盛り上がっています。

アンリアルライフを制作したhako 生活さんは、ゲーム制作者でありピクセルアーティストでもあります。

このピクセルアートならではの雰囲気が、現実だけど非現実のような夜の街の表現ととてもマッチしていて、そこから違和感なくさらに幻想的な世界へもつながっていくのです。

物語と絡むゲーム性

主人公ハルちゃんは、さわったもののキオクを読み取る能力を持っています。
この能力は、謎解きヒントを、ゲームの没入感を保ったままプレイヤーに伝えてくれる装置であると同時に、ストーリーにも関わってきます。

引用元:アンリアルライフ公式HP https://www.unreal-life.net/

メインとなる、謎解きゲーム要素もストーリーに即しているのはもちろん、ゲーム自体が伏線になっています。
後々、以前行った操作や使ったアイテムの、応用が必要になる場面が出てくるので、ゲームを解いていく経験が物語の経験と絡み合う一体感があります。
ネタバレになるので詳しく書けませんが、プレイヤーの操作(ゲーム)と物語の進行が完全にシンクロする場面もあり、ゲームだからこその演出が素晴らしいのです。

引用元:アンリアルライフ公式HP https://www.unreal-life.net/

アンリアルライフは、おはなし(ストーリー)もヴィジュアル(ゲーム画面)も魅力的ですが、ゲーム以外のジャンルで展開したなら、また別の味わいになることでしょう。(他ジャンル展開は、ぜひやってほしいです!)

おはなしの続きは…

物語の類型のひとつに『行きて帰りし物語』というものがあります。
古くは『不思議の国のアリス』現代だと『千と千尋の神隠し』が分かりやすいと思います。
アンリアルライフもこのタイプの物語です。

アリスも千と千尋も、そしてアンリアルライフも、迷い込んだ先の世界に現実世界の要素が混じっているところや、ストーリー上での困難が現実の主人公に起因するところなども共通します。

この要素は、『行きて帰りし物語』の必須要素ではないのですが、物語への没入感を高める効果があるような気がします。
子ども時代に、この手の物語に夢中になった、という人も多いのではないでしょうか?

僕は、ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』と映画『ラビリンス/魔王の迷宮』が『行きて帰りし物語』の原体験なのですが、アンリアルライフのゲーム体験と、キーワードでもある『お話の続きは、また明日。』という言葉には、この原体験を思い出すような、心の揺さぶられかたを体験しました。

多くのファンの方々も、揺さぶられまくったのではないでしょうか?

引用元:アンリアルライフ公式HP https://www.unreal-life.net/

ネットで検索すると、たくさんのプレイ動画や感想や考察が見つかります。
皆さんの感情の揺さぶられ具合を見てみるのもおすすめです!

ここまでの記事をみて、自分は揺さぶられる!という確信を持った方いませんか?
ぜひぜひ、プレイしてみてください!

祝!3周年!!!

アンリアルライフは、2023年5月14日にリリース3周年を迎えます。

hako 生活さんによると、色々と準備中とのことで、楽しみすぎます‼

そしてなんと、
ヴィレッジヴァンガードでも、3周年に合わせて、大好評だったコラボグッズを再受注することになりました!
僕も関わらせていただいた企画でして、いちファンとしても嬉しいかぎりです。

買い逃した方も、追加で欲しくなった方も初めて知った方もぜひぜひ!
ちなみに、自分用は購入済で、届くのが待ち遠しい状態です。

では、最後に改めまして、
アンリアルライフリリース3周年、おめでとうございます!!

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この記事を書いた人

ヴィレヴァン歴ン十年。全国異動中のサブカルおじさん。

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