手
女性の手、男性の手、女性らしい手、男性らしい手。
手、もちろん物を掴む時にも使います。
それだけではなく、繋ぐ、離す、書く、撫でる、抱く、その他にも。
改めて考えてみると、生活のほとんどに手が使われている。
そう考えると手は真実を伝える、と同時に、嘘を伝える。
「手は時々嘘をつく。」
私は、「手」という映画を見てきました。
監督は、松居大悟監督。
松居監督といえば、池松壮亮さん、伊藤沙莉さん主演、クリープハイプのナイトオンザプラネット主題歌の「ちょっと思い出しただけ」を手がけたのが記憶に新しい。
クリープハイプが好きな私は、気づくと松居監督のファンになっていました。
そんな松居監督の最新作は、ポルノ映画。
「日活ロマンポルノ」はご存知でしょうか。
日活ロマンポルノとは
日活が1971年に打ち出した当時の映倫規定における成人映画のレーベル。
「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」などの一定のルールと、製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができたため、監督たちスタッフは限られた条件の中で新しい映画作りを模索し、さまざまな表現に挑戦した。
製作終了した1988年までの17年間に、約1,100本もの作品を公開し続けた結果、多くのスタッフ・キャストが育っていき、映画史においては、最もセンセーショナルな作品レーベルとして、現在も国内外で高く評価されている。
引用元:ロマンポルノ50周年記念プロジェクトーhttps://www.nikkatsu-romanporno.com/rpnow/
そのロマンポルノが、昭和、平成を駆け抜け、遂に令和で50年。
ROMAN PORNO NOWとは
ロマンポルノ50周年記念プロジェクトの新作映画製作における企画名。
半世紀にわたり、多彩なジャンルで女性の強さや美しさを描き、愛され続けてきたスピリットを継承。
現代のさまざまな生き方や個性を応援する、時代の「今」を切り取った新作映画を製作する。
引用元:ロマンポルノ50周年記念プロジェクトーhttps://www.nikkatsu-romanporno.com/rpnow/
つまり、時代の「今」を切り取ったロマンポルノ新企画「ロマンポルノ・ナウ」が始動したってワケ☆
そんで、ROMAN PORNO 50th ANNIVERSARY おめでとうってコト☆
この「ロマンポルノ・ナウ」の言葉がとてつもなく素敵。
「私の”好き”の物語。そろそろ愛について話さない?」
好き故の行動、愛の表現方法って本当に幅が広く、奥が深いなあと。
それって性的なことに直結する場合もあれば、色々なところを寄り道して性に辿り着いたり、全く影すらも見えないと思っていたら突然性に着地したり。
愛と性って切っても切り離せないというか、無理に切り離す必要がないというか……
まだまだケツが青いなりに、ぼんやりとそう思います。
でも今の時代、えっちなことを扱うってとっても難しいと思うんです。
それを上手に切り込んで行ったな!!!!!!と感動しました。ありがとう。
(私の知っている世界が狭くて浅い可能性が大いにありますが)
兎にも角にも、とっても素敵にえっちなんです。
ルールに規定されている通り、10分に1回絡みのシーンがあり、しっかりえっちなので、18歳以下の少年少女たちは、まだお預けです☆
(これで歳を重ねることが楽しみになったら良いよね♪)
長くなりましたが、「ロマンポルノ・ナウ」3作品の内の1作品目が、松居大悟監督の「手」。
おじさんの写真を撮っては、コレクションするのが趣味のさわ子。これまで付き合ってきた男性はいつも年上ばかりなのに、父とはなんだか上手く話せずギクシャクしていた。そんな時、同年代の同僚・森との距離が縮まっていくにつれ、さわ子の心にも徐々に変化が訪れる―――。
引用元:ロマンポルノ50周年記念プロジェクトーhttps://www.nikkatsu-romanporno.com/rpnow
そばにいる人を、めちゃくちゃに愛したいと、ときどき思う。
(ここからはネタバレになるかもしれないし、ならないかもしれない)(自己責任で何卒……)
父親との関係性を男性との関係に落とし込むのは、なるほどな〜〜となった。
愛の対象も、愛の形も、あえて分け隔てていない。
実際に、父親が与えた影響というのは恋愛に大きく関係する(ソースは問うな)というのがギュッと詰まっていた。
愛についての善悪も難しいですよね。
別に何も難しくないんですけど、やっぱり難しいと思います。
ダメなことはダメだけど、ダメだからという理由で、抑えられる感情なのか。
そもそもそれは「好き」なのか。
「好き」という感情さえも錯覚かもしれない。
人と人との関係性を多面的に描きながら、そのコミュニケーションの取り方の一つであるセックスをリアルに生々しく魅せる。
そして”言葉”による説明よりも、普遍的な「手」で多彩に表現している。
見ている時にはポルノ映画ということを忘れそうになる。
泥臭い、愛、暴力、セックス!といったポルノ映画ではありません。
これはポルノというより、ラブストーリーなのかも知れない。
しかし、先述したように、大体の恋愛にはセックスが関わってくるので、ポルノとラブストーリーを分離して考える必要はない気がします。
何より、細かいところで”松居監督ぽさ”が感じられてとっても良かった。
原作は、山崎ナオコーラ先生の作品らしく、そちらも拝読したいなと。
そんな感じですかね。ネタバレになっている?
松居監督!ポルノ!という情報だけで食いついた私でしたが、後公開される2作もとっても気になってしまいました。
店長へ、公開日にシフトは入れないでね。私より
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