日常の極小さなわだかまり

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ちょっとだけ想像してみてください。

あなたは今喫茶店の中に1人でいます。客の年齢層は20~50代が多く、それなりに落ち着いた場所です。あなたは飲み物やら軽食を頂きつつ1人でくつろいでいる所です。

そこに客がやってきて、あなたの隣を一つ開けてもう一つ隣に座りました。2人組です。

席に着くなりなにか雑談を始めました。周りを見渡すと1人客が多く、パソコンやペンの物音がするだけで、声を出している人は他には見当たりません。そのため、その二人組の声が特別大きいわけではないようですが、イヤホンなどをつけていないとそこそこ声が耳に入ってきます。

という状況に出くわしました。
この時あなたは2人組の声に気を取られてしまうでしょうか?「おしゃべりをする2人組」が否応なしに自分がくつろいでいた世界の中に、意識せざるを得ない存在として入り込んできてしまうでしょうか?


その時の心の持ちようにもよるだろうが、大体の人その声にはさして気にもとめずくつろぐことができると思う。


では次にもう一つ想像してみてください。

喫茶店でくつろいでいたあなたの隣の隣の席に客が座ってきました。ただ、今回は2人組ではなく1人のようです。

飲み物を持って席に着くなりその人は声を出して何か話し始めました。チラと横目で見ると、スマホを片手に画面に向かって喋っています。どうやら誰かと通話しているようです。内容は2人組の時と同じく他愛のない雑談のようです。

さてこの時、あなたはこの人の声に気を取られてしまうでしょうか?自分の時間の中に「その場にはいない人間とおしゃべりする人間」が自動的に組み込まれざるを得なくなってしまうでしょうか?

おそらくですがあなたは「2人組のおしゃべり」とくらべると「相手の声が聞こえない、ぱっと見1人のおしゃべり」の方が気を取られてしまうのではないでしょうか。

自分では動かすことのできないはずの耳の筋肉がピクピクと動いて声のする方に自ずと注意を向けてしまうのではないでしょうか。大袈裟に不満感を表す人はいなくても、幾許かの心地悪さを感じてしまう人もいるのではないでしょうか。

先日喫茶店に行った際に俺が出くわした状況である。隣の隣に座ったおしゃべり2人組が去った後、同じ席に通話1人客がやってきたのだが、周りの客を見ていると明らかに彼らに対する反応が違っていた。2人組の方は気にもとめない様子だったのに1人客の声が聞こえた瞬間ちらちらとその人に対して振り返っているものが何人かいた。

どうしてこのような違いが生まれるのだろう。1人客の話の内容が気をひくものだったわけでもない。めちゃくちゃ横暴な態度を取っていたわけでもない。声がデカすぎたわけでもない。何なら雑音が2つ聞こえるのだから、声のボリュームで言えば2人組の方が大きいはずなのだ。

1人客は注視しなければ「独り言をそこそこ大きい声で話す少し変な人」にも感じられるからだろうか?
その要素もないことはないだろうが、重大なものであるとはあまり思えない。喫茶店では1人客を2、3度振り返る者もいた。当然一回見ればその人が「少し変な人」ではないことはわかっていたはずなのに。
「あんたいつまで喋ってんの?」という決して大きくはないが心のどこかでやんわりと感じていた不満を、顔を向けることで意思表示しているようにも俺は見えた。



ここから先は全て事実確認のない俺の妄想になるのだが、人は無意識のうちに「特定の状況下において個々人は各々がこなすべき役割がある」と、ほとんどすべての場合において周囲の人間に対して思っているのではないだろうか。

今回でいえば「1人で喫茶店で過ごす人間は静かにする」という役割を周囲の人間は望んでいた。しかし件の客はその役割を全うしなかった。だから人々は違和感や微量の憤りを覚えてチラチラと振り返った。

暗黙の了解と言ってしまえばそれで納得してしまう人も多いのかもしれない。しかしうまくいえないがちゃんと掘り下げていけば、もっと根本的に根差した思想やそれによる意思疎通が周囲の人間にあるのではないかとも思える。

言葉を介するコミュニケーションよりももっと原始的な、無意識の意思疎通があり、それだけでは意思疎通ができそうにないときや、周囲の思想とは違うように思われる考えがあるときに言葉が始めて使われる。

いじめや迫害って多分こういう「こなすべき役割をまるでこなせてない奴がいるぞ」っていう思想から発生するケースもあるんだろうな。俺たち全員無意識のうちに自分達と違う者を外れものにカウントする排他的思考が心のどこかにあるんじゃないでしょうか。

熟年離婚寸前の夫婦とかもこういう、言葉にせずに抱え込んできた極小さなわだかまりが積もりに積もって相手を拒絶したくなったりしてるのかなあ。


目次

日常の極小さなわだかまり記録人

今回のような、なんでもないことなんだけど微妙にテンションの下がるあるあるを発信し続けている方を紹介して終わろうと思います。

つぶやきシローさん、お笑い芸人の方です。大体毎日一回はこういう地味だけど「わかる」ネタをつぶやいているので気になる方はぜひフォローしてみてください。ツイートの全部が全部今回の記事のようなネガティブなソレってわけではないので安心だ!

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