#MeToo運動も記憶に新しいですが、イギリスのサフラジェットの活動なんか100年以上も前のこと。女性たちが立ち上がり、社会的蔑視やセクハラ被害について問題提起することは、現代でやっと当たり前になってきています。
私は女性として昭和の時代に生まれましたが、幼い頃は「女としてわきまえるべき」「女だから男を立てなさい」と周囲の大人に教わることが多かったので、その生き方に何ら疑問すら思っていませんでした。(実際立てていたかはどうかとして)そして男の子は「男なんだから強くなりなさい」なんて言われていたのではないでしょうか。
時代の流れとともに、女性が声をあげることや、社会参画することは当たり前になっていきました。今や女が強くあっていいし、男が主夫になってもいい時代です。その流れの中で生きていく内に私も視野を広げることができました。
現代では、ヒーロー映画も女性にシフトチェンジ、昔のアクション映画で無駄にキャーキャー喚いていた女性の立場も、今や主役の相棒として大活躍する立場に。話の方向性が変わっただけではなく、最初から女性も男性も個人差があって性別で定義づけるものではなかったのかもしれません。
今回は、そんな中で女って強いわねと思った映画をいくつか紹介したいと思います。
ティム監督ファンなら持っておきたいところ。
ビリーブ 未来への大逆転 -(On the Basis of Sex)2018
アメリカの連邦最高判事を勤めた女性、ルース・ベイダー・ギンズバーグ(別称・RBG)
彼女が法律家として名を挙げるまでのストーリー。実話を基に描いた作品です。
映画の中でルースは、女が法学部に入れたことに自負し満足していたけれど、法学部には女子トイレすらなかったということを法廷で暴露。これには傍聴席も失笑。
閉ざされた扉を何度も何度も叩いてはボロボロになり、七転八倒した彼女。それでも立ちあがろうとする信念の強さや賢さ、そして何より常に味方であった夫・マーティンの存在は大きいです。彼女が安心して突き進むことができた理由の一つに、彼の存在があったからなのではないかとも思います。
理解してもらう、理解してくれる人がいる、それだけで人は強くなれると思えた映画です。
プロミシング・ヤング・ウーマン -(Promising Young Woman)2020
このタイトル、直訳すると「有望な若い女性」という意味です。
有望な若い女性があることをきっかけにどうなっていったか、何があったのか、何をしたのか、その疑問をもとに進めていく少し過激な内容の映画です。過激といっても、暴力的かつ性的な描写は直接描かれません。恐らくフラッシュバックへの配慮かと思われます。それが従来の作品と異なる稀有な特徴です。
主人公は、将来を期待された優秀な学生だったのですが、ある事件から激変。今は、近所のカフェでバイトをしながら、夜な夜なクラブや酒場で奇妙な行動をし続けています。
私が1番印象に残ったのは、性的な言葉を道端で投げつけられるシーン。ヒロインは、その男たちをただ無言でじーっと見つめ返すんですよね。何を言われても、じぃっと。それが相手への敗北感と羞恥心を与えることに繋がり、結果として彼女が優位になるのです。これには目から鱗、時には発言を敢えてしない選択も意味があるなと感じました。
女性目線から見て、あるあるなシチュエーションや台詞が登場するため、色々と考え方が参考になる映画でした。でも、真似したらきっとクレイジー扱いなんでしょうね。
泥棒成金 -(TO CATCH THIEF)1954
ヒッチコック映画って古いけれども、出てくる女性役は意外と強者が多いのです。
本作は勿論ですが、同じくグレース・ケリー出演の『裏窓』や、イングリット・バーグマンの『汚名』なんかも女性が聡明で強いです。男性にただ助けてもらうだけのヤワな姿は描かれません。だからと言っては何ですが、私個人としてはヒッチコック映画が結構推しです。
この『泥棒成金』は、美しい南フランスのコート・ダジュールを舞台に、濡れ衣を着せられた宝石泥棒とターゲットにされた富豪の娘が織りなすミステリー&ロマンス映画です。この娘役を演じたグレース・ケリー、もはやこの世のものとは思えないほど美しい!!!
私が1番印象に残ったシーンは、やっぱり2人のドライブシーン。他の映画でもオマージュされることが多いこのシーン。箱入り娘と思われているお嬢様が運転席に座ったら、とんでもなくスピード狂でしたという展開ですね。実際にやったら危ないけれど、相手の意表をついて満足げに笑って見せる彼女の表情は、何とも言えないほどチャーミングでした。
ヒッチコックだけに、ただでは終わらないラストも必見な映画です。
コンタクト -(Contact)1997
ジョディ・フォスター主演で描かれたSF映画。ちゃんと理解しようとすると結構複雑な要素が多く、非常に感慨深い作品です。ノーラン監督の『インター・ステラー』(2014)と同じマシュー・マコノヒーが出演しているため、前日譚だとか彼が時を超えたとか映画ファンの間で囁かれていました。そう考えると確かに少し面白いです。
本作は、天文台である研究をしているヒロインが、宇宙からの不思議な信号を受信し、それを独自に解析していくことで、思わぬ展開に遭遇していくというストーリー。
周囲からどんなに蔑まれ、疑われ、見捨てられそうになっても、自分の信念と知識を貫き通す強い女性像が描かれています。
モリーズ・ゲーム -(Molly’s Game)2017
私が個人的に大好きなジェシカ・チャスティンの映画です。
ヒロインは、冬季オリンピックの候補にまで上がったモーグルの選手。しかし、怪我によってアスリートを続けられなくなります。その後、彼女はバイト先で知り合った男に知性を買われ、非合法なポーカークラブの運営を手伝わされるようになります。そこはセレブも通う秘密のクラブでした。
一度、夢を打ち砕かれても、めげても、また立ち上がる姿勢や、知性を味方につけてのし上がっていく姿は力強い生命力を感じました。勿論、裏の世界では無理が通るから道理は引っ込みます。だから、何かがあっても本当に頼れるのは自分だけ。その孤独の中でも、毎日の新聞に目を通す日課は欠かさないという彼女に心打たれました。
何が成功で、何が幸せで、何がやりがいで、何が自分の目的なのか。そんな道筋を考えさせてくれる、実話を基にしたストーリーです。因みに、父親がケヴィン・コスナーってずるい。
最後に
以上、女性のパワーを感じちゃう映画5本を紹介しました。
今回、力強さを感じた女性の映画を紹介しましたが、フェミニズムとは決して男性批判ではないのです。
私たちが女性の権利を主張するように、男性の権利を奪うことがフェミニズムでもないのです。それを分かりやすくお話ししてくれたエマ・ワトソンの国連スピーチもおまけで貼り付けておきます。
これまでの常識とされてきたものを覆し、男女平等にするって難しそうだけど(そもそも男女じゃなくてもレイシズムはあるのに)単純に考えれば実は容易なことなのかもしれません。
つまるところ、相手を尊重する心の余裕や理解が人間にもっと必要なんじゃないかしらと思うのです。そして、当たり前と言われている物事に対して、時々敢えて疑問を投げかけてみることも大事だとつくづく思うのです。
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では、またぁ。
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